球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

スター獲得競争の中で王国ヤンキースが…

[ 2014年12月14日 05:30 ]

 先週のウインターミーティングは活況だった。激しく選手が動く昔の冬の集会の復活だ。集会4日間で12のトレードがあり44人が関わり、FA17人が契約した。チームが替わったオールスター選手が15人もいた。

 MLBの収益は90億ドル(約1兆円)、分配金の増額と契約金に制限をかけるドラフト改正で中小規模都市チームも大金が使えるようになったおかげとAP通信。プレーオフに年俸ランク中位、下位のチームの進出が増えたのも刺激になった。

 金満球団だけで争ったスター獲得競争が全球団に広がり、勝ち抜く鍵がGMの素早い決断だ。実績あるGMの引き抜き合戦に火が付き、ナ・リーグ西地区では、ワールドシリーズを制したジャイアンツを除く4球団全てが新GMで集会に乗り込んだ。

 ジ軍のライバル、ドジャースは2年連続年俸ランク1位で連続地区優勝しながらワールドシリーズを逃しただけに新GMで猛チャージ。8選手(中には40億円もお金をつけて)を放出、9選手を獲得した。107年ぶりの王座を目指すカブスはトップFA投手ジョン・レスターと6年1億5500万ドル(約184億円)で契約した。一昨年の世界一から今季ア・リーグ東地区最下位に沈んだレッドソックスは6人放出、3人獲得(2桁勝利投手2人と、強打の三塁手パブロ・サンドバル)で優勝候補へ復帰した。

 寂しいのはヤンキース。獲得ゼロで、今季39セーブのデービッド・ロバートソンを残留させられず逃げられた。集会最終日のニュースが「トレーナー報告では出場停止明けのアレックス・ロドリゲスは減量が全くできていない」。深夜まで続く移籍発表の中で際立つ“落日の王国”の発表だった。 (野次馬)

続きを表示

バックナンバー

もっと見る