球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

厄介者Aロッドが居座るヤンキース…来季も苦戦?

[ 2014年11月16日 05:30 ]

 2年連続プレーオフ進出を逃したヤンキースは、「まだ底を打っていない。来季も苦戦」と野球メディアの見方は一致している。足かせが1シーズンの出場停止処分を終えて復帰するアレックス・ロドリゲス(Aロッド)だ。簡単に再スタートという状況ではなくなった。

 禁止薬物使用をめぐり大リーグ機構(MLB)と争い「魔女狩りだ」と叫んでいた今年1月、麻薬取締局の捜査官に「マイアミの診療所から薬物を購入して使用し、ドーピング検査すり抜け法を教えられ、陽性反応を免れた」と自白した15ページの記録文書が複数メディアで暴露された。さらに、この診療所との連絡係をさせていた甥(おい)に100万ドル(約1億1600万円)の口止め料を払っていた。逮捕された甥の裁判への出廷がキャンプと重なるらしいのだ。

 「Aロッドが来季の三塁手」と言っていたブライアン・キャッシュマンGMとジョー・ジラルディ監督の発言は後退する。「一塁に回す」となり「DHだ」と変わり、「控えのDH」。先週のGM会議では「FAのチェース・ヘドリーの買い戻しを含め、三塁手獲得を目指す」と明言した。Aロッドは来季40歳、昨年は腰の故障でDHを含め44試合プレーしただけで、来季開幕日を556日間大リーグでプレーなしで迎える。先発する戦力として「?」なのだ。

 さまざまな予想がメディアで飛び交った。ヤンキースがAロッドの残る契約3年分の年俸6100万ドル(約70億円)を払い、解雇する。Aロッドが引退してくれて、球団が保険金を手にする…。最も可能性が高いのは、サボタージュじみたAロッドがベンチに座っていること。チームの厄介者の居座りだ。なるほど、これでは勝つのは難しい。
 (野次馬)

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