球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

球界内権力闘争の縮図…次期コミッショナー選出

[ 2014年5月25日 05:30 ]

 バド・セリグ・コミッショナーは「来年1月24日に退任する」と明言する。その後任を探す委員会が先週発足した。委員長はカージナルスのビル・デウィット・オーナー。委員にパイレーツ、ロッキーズなど6球団のオーナーが加わる。ここで候補者を絞ってオーナー会議に諮り、全オーナーの4分の3(23票)の賛成で新コミッショナーが決まる。デウィット委員長は「強力なCEO(最高経営責任者)探し」と言った。

 セリグ氏はブルワーズのオーナーから7年間のコミッショナー代行を含め、大リーグトップの座にあること来年で24年に及ぶ。最大の功績は大リーグを今季収益予測8000億円の大娯楽産業に育てたことだ。後任は、大リーグ機構(MLB)の幹部から選ぶ、と野球メディアは予想する。

 最有力視候補はロブ・マンフレッドMLB首席理事。セリグ・コミッショナーの右腕だ。選手会とウイン・ウインの関係をつくり、薬物違反選手の大量処分に剛腕を振るい名を上げた。「彼が後継者ならセリグは背後から影響力を行使できる」とはMLB担当のベテラン記者のコラム。

 しかし、「これに反対のオーナーもいる」とニューヨーク・タイムズ紙が報じた。ホワイトソックスのジェリー・ラインズドーフ・オーナーだ。ラインズドーフ氏はセリグ氏と組んでフェイ・ビンセント前コミッショナーを追い出した盟友だが、個々の球団経営にまで手を伸ばす「セリグ流コミッショナー」が続くのを嫌がっているという。

 年俸15億円のコミッショナーの椅子が簡単に決まるほどMLB内は仲良しグループではない。後継者選びの委員会のスタートは、球界内権力闘争のスタートだ。 (野次馬)

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