球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

ファンも好感 ジーター引退後の“渋い”選択

[ 2013年12月22日 05:30 ]

 ヤンキースの主将デレク・ジーター遊撃手は40歳になる来季が現役最終年となるのか。大リーグ昇格から00年までの5年間は1年契約の更新を続け、01年から10年契約。その後は力の衰えを考慮した3年契約を結び、1年の選手オプションを加えた。その選択権の行使が年俸1200万ドル(約12億4800万円)の来季だ。

 力の衰えたスター選手が強欲むき出しの長期契約を結び、選手も球団も共倒れが続出する中で珍しいウイン・ウイン関係。そんなジーターの引退後の計画が報じられた。「出版業に乗り出したい」というのだ。故障続きのここ数年、「引退後の青写真を考え続け、出版業が最高と思った」

 ヤンキースとの契約で分かるようにジーターの代理人事務所は堅実だ。すでにノーベル賞の文豪ヘミングウェーら、多くの著名作家の出版で有名な名門出版社との提携の話をまとめた。夢は伝記やビジネス関係の大人向けノンフィクションから子供向けの絵本、若者を対象にしたファッションなど幅広い分野の出版。「最初はジーター自身の回想記や子供向けの野球の本になるだろう。が、彼はこのプロジェクトを長期的に考えている。“ジーター出版”を名乗るからには、彼自身が本の内容や装丁などの編集業務に関わりたいと言っている」と代理人。

 目先の投資話に乗って大金を失ったスーパースターの例では、野球ゲームソフト製作で失敗したカート・シリング投手(レッドソックスで血染めのストッキングのまま投げワールドシリーズを勝ち取った)ら少なくない。華やかなスターの渋い選択、ファンに好感を持って受け取られている。

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