球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

夢舞台に影落とす薬物問題…デービスは大丈夫!?

[ 2013年7月14日 06:00 ]

 いよいよオールスターゲーム。開催都市での人気は高いが、近年テレビの視聴率は悪くなるばかり。巨額の中継料を払うテレビ局向けに全米規模で盛り上げようと大リーグ機構は選手選考にさまざまな仕掛けを作ってきたが、手詰まりの感じ。これに薬物問題が影を落とした。

 球宴PRから外した薬物使用疑惑選手から4選手が選ばれてしまったのだ。昨年はメルキー・カブレラが球宴MVP受賞の1カ月後に薬物使用で出場停止。この失態が再発しかねない状況にメディアの選手紹介はトーンが落ちた。記者の苦渋を示す挿話がある。

 ア・リーグ一塁手部門1位のクリス・デービス。2年前レンジャーズが上原浩治獲得でオリオールズに放出した27歳の若手だ。三振をいとわぬ一発屋でリーグトップの35ホーマーの大ブレーク。こんなタイプは薬物使用が疑われやすいが、記者は聞きづらい。それをファンがやってくれた。

 少年がツイッターで「薬物使用は?」と質問したのに「ノー」と答えたのだ。「返事がくるとは」と驚く少年にデービスは「スクロール中に質問を見つけた。それで答えた。ファンにうそはつかない」。

 高卒時にヤンキースからドラフト50巡目(全体で1496位)で指名されたが、短大に進み2年後レンジャーズ5巡目指名(全体で148位)で入団した。昨季は投手が尽きた延長試合に緊急登板し勝利投手…と、メディアの選手紹介もクリーンなシンデレラ・ボーイでようやく活気づいた。

 ただし、お祭り記事と並んでいた、球宴後に薬物使用選手の大量処分があるはず、との観測報道が気にかかる。夢の球宴から目覚めると待っているのが悪夢ではシャレにもならない。(野次馬)

 

続きを表示

バックナンバー

もっと見る