球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

インディアンスのロゴ問題 ブレーブスにも波及?

[ 2018年2月4日 05:30 ]

 インディアンスが1947年以来使用してきた「ワフー首長」の漫画ロゴを、来季から球場内では使用しないと発表した。頭に羽根飾りをつけ赤い顔で笑うワフー・ロゴは10年以上前から人種差別的と問題にされた。大リーグ機構(MLB)も球団と話し合い、ロゴ露出は徐々に減っていた。ところが、16年ア・リーグ優勝を決めるトロントでのブルージェイズ戦が、法廷闘争中のロゴはカナダの人権規範違反か、の判決日と重なった。判決次第では、カナダのテレビ放映不能の危機。「申し立て却下」で救われたMLBは、イ軍への圧力を強めた。

 球団はロゴの商標権は保持し、球場外のグッズ販売店でロゴ付き商品の販売を可能とした。ロゴへの地元ファンの支持は圧倒的、大事な収入源でもある。ファンが愛する理由は、インディアンは誇り高く勇敢というロマンチックな思い入れと、「差別的」との声への反発だ。確かに、差別意識があればチーム名にするはずがない。

 権利向上団体の思いは複雑だ。「“米国先住民”と言い換えで済ますが、それは白人の一方的見方。“アメリカ・インディアン”と呼んでほしい」。さまざまな競技でインディアンに関わる名の変更を始めた。「インディアンスも、チーム名も変更を…」と団体は希望する。

 球団誕生は1894年、以後何度か名を変えて「インディアンス」としたのは1915年。イ軍が改名に踏みだせば、球団名と斧(おの)を振る動作の応援変更を求められているブレーブスにも影響するだろう。(野次馬)

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