球拾い―大リーグのこぼれ話伝えます―

マーも食らった「アッパー強振理論」の提唱者は…

 「球宴のホームラン競争に出場する打者は、田中将大を競争用投手として招待するといい」。田中の被本塁打(21本)の多さを皮肉るニューヨーク・タイムズ紙の短評だ。ただし、大リーグ全体の本塁打数も増加傾向で、「データ活用でのホームラン増産は筋肉増強剤より強力」とワシントン・ポスト紙は報じた。

 打者たちが目指すのは「打ち出す打球の角度を25度から35度の範囲内に収め、打球速度は時速95マイル(約153キロ)以上にする」。それには、「フライを意識したアッパーカット気味のスイングを身に付けることが必要」と15年のア・リーグMVPジョシュ・ドナルドソン三塁手(ブルージェイズ)は言う。

 大リーグ専門局MLBネットワークが15年からプレーを「スタットキャスト」と呼ぶシステムで瞬時に分析データ化し、視聴者に伝え始めた。大リーグ機構(MLB)はこのデータを試合中の監督、コーチ、選手も見られるよう、全球団のベンチにタブレットを置いた。フライ打ちの引き金は変形シフトだ。11年に2974回だった変形シフトが昨季は3万3343回も実行された。この守りに対抗する打者のデータが、直近2年合計1万本超の本塁打の60%近くを占めた打球の角度と速度だった。

 今季、打者たちの「アッパー気味の強振」が本格化し、田中が被害投手トップになってしまった。しかしこのスイング、大リーグ最後の4割打者テッド・ウィリアムズがノートしておいた自分の全打席、全投球を引退後に分析し、1971年に書いた「打撃の科学」で推奨した打撃法でもある。最新データによる“本塁打打法”が、伝説の大打者の打撃のリバイバルなのが面白い。 (野次馬)

[ 2017年6月25日 05:30 ]

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