中日・細川 今季初安打がサヨナラ弾 先輩たちの激励で、長いトンネル抜けた

[ 2024年4月3日 05:45 ]

セ・リーグ   中日4ー3巨人 ( 2024年4月2日    バンテリンD )

<中・巨>サヨナラ弾を放った中日・細川(左)と同点適時打を放った田中は、お立ち台で肩を組みポーズ(撮影・椎名 航)
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 ドラマは11回に待っていた。中日・細川が一振りで決めた。1ボールからの2球目、中川の外角低めスライダーを強振。高々と舞い上がった打球は左中間席へ着弾。19打席目でようやく飛び出した今季初安打がチームを12球団最遅1勝に導く自身初のサヨナラ弾だ。

 「ずっと安打が出ていなかったので、最高です!小学校から野球をやっていますが、サヨナラ打も含めて、人生で一回も打ったことなかった。何回でも味わいたいですね」

 右拳を突き上げて悠々とダイヤモンドを一周。ヘルメットを放り投げて本塁を踏み、仲間から歓喜のウオーターシャワーを浴びて、びしょ濡れになった。

 重圧はあった。得点力不足解消の切り札として加入した4番・中田の後ろを託されたが、開幕3連戦は音なしで、この日も8回まで4打席凡退だった。支えは公私で尊敬する先輩たち。3月31日ヤクルト戦の敗戦後、名古屋へ戻ると、中島から激励の電話が届いた。

 「“大丈夫だから頑張れ”と言ってもらいました。今日も練習の時に(中田)翔さんから“迷ったり落ち込むけど、自分を信じてやれば大丈夫だから”と。心の支え。本当に、ありがたいです」

 決して手を抜かない男だ。春季キャンプでは連日午後8時過ぎまで室内練習場でバットを振り込んだ。道具にも妥協しない。白いバットの中央付近が茶色い理由はメジャーで主流の滑り止め「パインタール」。打席に入る前に手に付けるもので「スプレーだと滑っちゃう。使ってみたら感じがよかったので」。

 開幕カード3年連続負け越しから、本拠地開幕戦で劇的勝利。流れは確実に引き戻した。「一打席、一打席を大切にやるだけです」。2年連続最下位からの逆襲へ、若き大砲が号砲を打ち鳴らした。 (湯澤 涼)

 ○…細川(中)が延長11回に自身初のサヨナラ打となるサヨナラ本塁打。今季19打席目の初安打で、シーズン初安打がサヨナラ弾となるのは22年4月9日ヤクルト戦の立岡(巨)以来。

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