【虎番リポート】本紙調査で判明!! 村上は“史上初”の「ホールド付き最優秀防御率」だった

[ 2023年10月8日 05:15 ]

<阪神全体練習>投内連係の練習を行う村上(撮影・大森 寛明)
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 セ・リーグは全日程が終了し、個人タイトルも確定した。担当する阪神からは中野(最多安打)、近本(盗塁王)、大山(最高出塁率)、岩崎(最多セーブ)、村上(最優秀防御率)の5人がタイトルホルダーとなった。

 先日、甲子園で珍しく岩崎から“調査”を依頼された。「ホールドが付いて最優秀防御率のタイトル獲った人っているんですか?」。村上を指していることはすぐに理解した。

 今季、大ブレークを果たした右腕は厳密に言えば開幕ローテーションからは漏れている。シーズン初登板は4月1日のDeNAとの開幕第2戦。同点の6回に登板し1イニングを零封した。以降はご存じの通り、先発としてフル回転しており、積み上げた10個の白星に埋もれてしまっているが、この試合でプロ初のホールドが記録されていたのだ。

 岩崎との会話から数分後、すぐにスポニチの記録担当に連絡。調査内容を伝えると「なるほど…」と言ってすぐに過去の記録を当たってくれた。結果を言えば、現行のホールド制が導入された05年以降で1例だけあったのが08年のヤクルト・石川だ。10月12日のシーズン最終戦に救援登板で1死だけ奪って降板し、2位の広島・ルイスを0・003上回って防御率のタイトルを獲得したという。今回の村上はシーズン序盤の純粋な救援登板。記録担当は「シーズン序盤でホールドが付いてのタイトルなら、村上が初めて」と続けた。

 後日、岩崎に伝えると「やっぱりそうですよね。ふと気になったんで」とうなずいて足早に去っていった。あの開幕2戦目、村上は先頭打者に二塁打を浴びながら無失点と粘投。結果論でも、失点してホールドが付いていなかったら、その後のシンデレラストーリーは少しだけ筋書きも変わったかもしれない。終わってみれば、渋く輝く1ホールドになった。

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