日本ハム・新庄監督 元同僚の武田久氏の“臨時コーチ”招へいを熱望「必ずハマると思う」

[ 2023年7月4日 10:33 ]

日本ハム・新庄監督
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 日本ハムの新庄剛志監督(51)が3日、臨時コーチとして球団OBの武田久氏(44=現日本製鉄東海REX)の招聘(しょうへい)を熱望した。04年から現役引退するまでの3年間を、ともにプレーした後輩で、プロ15年間で3度の最多セーブなどに輝いた名リリーバーだ。就任1年目の昨春キャンプでは、元阪神の赤星憲広氏(47=本紙評論家)らの臨時コーチ就任を実現させており、06年日本一メンバーが“入閣”する可能性も十分だ。

 中日から郡司とともにトレードで加入した山本拓の話題で盛り上がっている時だった。1メートル67ながら最速154キロを誇る小兵右腕の姿を、球団OBのレジェンドと重ね合わせた。唐突に口にした名前だったが、新庄監督の目は本気だ。

 「あっ、でも武田…。山本君に対して教えるコーチとして武田久君って、面白くないですか?コーチとか、臨時じゃないけど」

 思いがあふれた。日本通運から日本ハム入団した武田氏と、メジャーから日本復帰したばかりの新庄監督は04年から3年間ともにプレーした。1メートル70と小柄だが、マウンドで軸足の右膝が地面に着くほど沈み込むフォームで、強打者を圧倒した。そんな姿を覚えている。

 指揮官は「俺、センターからずっと見ていた。やるなあって…。あんな小さな体で、下から(打者を)えぐっていくような感じだった」と当時を振り返る。鮮明な記憶が焼き付いているからこそ、山本拓もブレークできるとの直感が働く。

 「必ず(武田氏の指導が)ハマると思うんですよね。武田君の良いところは(左足を)着いた後から(遅れて腕が)出てくる感じがある。あれは打者が(タイミングを)合わせるのは大変」

 現時点では夢プランでも、過去の実績がある。就任1年目だった昨春キャンプでは、自身の人脈を駆使して8人の“臨時コーチ”を要請。元阪神の赤星氏には5年連続盗塁王に輝いた走塁技術、アテネ五輪男子ハンマー投げ金メダリストの室伏広治スポーツ庁長官には、実演を交えたトレーニング方法などを教えてもらった。

 現在、武田氏は日本製鉄東海REXでコーチを務める。それでも、所属チームからの了承を得られれば、臨時コーチとしての指導も不可能ではない。通算167セーブ、107ホールド。北海道移転後、黄金期のブルペンを支えた右腕の指導を受ければ、投手陣全体の成長にもつながる。

 稲葉篤紀GM、建山投手コーチ、森本外野守備走塁コーチら06年日本一メンバーが首脳陣にそろう。就任3年目の来季へ続投意欲も示している新庄監督だけに、今後熱烈ラブコールが届くか注目だ。(清藤 駿太)

 ◇武田 久(たけだ・ひさし)1978年(昭53)10月14日生まれ、徳島県出身の44歳。駒大から01年に日本通運入社、02年ドラフト4巡目で日本ハムに入団した。通算534試合31勝30敗167セーブ、防御率2・61。最多セーブ3回、最優秀中継ぎ1回。日本ハム退団後は古巣・日本通運で投手兼任コーチとして復帰し、19年限りで現役引退。20年に日本製鉄東海REXで投手コーチに就任した。

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