杉下茂さん、栄光の記録集　元祖4冠投手　勝率.636は歴代6位　シリーズ最多記録の4完投

杉下茂氏の現役時代のピッチング（1958年撮影）
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　1954年に中日の初優勝と日本一に貢献した杉下茂（すぎした・しげる）さんが12日午後10時18分、都内の病院で間質性肺炎のため死去した。16日、球団が発表した。97歳。東京都出身。通夜・葬儀は近親者で執り行われた。当時では大柄な1メートル82の長身からフォークを武器に通算215勝を挙げ、監督、コーチとして各球団で後進の育成に尽力した。

　以下、杉下さんの主な記録。

　☆負けないエース　歴代17位の通算215勝を挙げながら敗戦は123。勝率.636は通算2000イニング以上の93投手の中で歴代6位。

　☆4冠でV貢献　54年には防御率1.39、32勝、勝率.727、273奪三振でセ初の投手4冠を達成。球団創設20シーズン目でのリーグ初Vの立役者となりMVPで、史上最多タイとなる3度目の沢村賞にも輝いた。

　☆シリーズでも大車輪　54年の西鉄との日本シリーズではシリーズ最多記録の4完投で3勝。日本一を決めた第7戦ではシリーズ初の1―0の完封で胴上げ投手になった。その時の90球はシリーズ最少投球完投記録。

　☆竜3人目の快挙　55年5月10日の国鉄戦で球団3人目のノーヒットノーランを達成。3回に相手先発投手の金田正一へ与えた四球がなければ完全試合だった惜しい内容で三振も13個奪った。