DeNA・三嶋が復活の零封 地道なリハビリ乗り越え…難病克服し半年ぶり実戦「いい第一歩を踏み出せた」

[ 2023年2月23日 05:30 ]

練習試合   DeNA3-9ロッテ ( 2023年2月22日    宜野湾 )

<D・ロ>7回、復活のマウンドに上がった三嶋は3人をピシャリと抑え笑顔でマウンドを降りる(撮影・長久保 豊)
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 万雷の拍手が心に響く。昨年8月14日のイースタン・リーグ、日本ハム戦以来の実戦マウンドは7回。「ピッチャー三嶋」の場内放送より一足早くスタンド、DeNAの控え投手陣から拍手が湧いた。「凄く特別でうれしかった。この光景は忘れられない」

 先頭の藤岡には初球カーブから。「公式戦と同じように抑えにいった」。スライダーで見逃し三振に仕留めると一気にギアを上げた。続く福田光、茶谷は2人とも二ゴロ。「結果的に3人で抑えられた。まずはいい第一歩を踏み出せたと思う」。最速149キロを計測し「この時期に出たのは初めて。そういう意味で手応えを感じています」とうなずいた。

 胸椎の「黄色じん帯骨化症」を患い、昨年8月29日に手術を受けてから地道なリハビリを経てたどり着いたマウンドだった。20、21年には抑えとして計41セーブを挙げるなど、常に1点を争う場面で登板してきた当時とは異なる感情が湧いた。「去年手術を通じていろいろな人に声をかけてもらった。だから対外試合の一発目のマウンドは凄く楽しみでした。本当に1軍の力になりたい思いで毎日やれることをやったんで…」と言葉を詰まらせた。手術当日は全く歩けなかった。国指定の難病であり「診断されてバリバリやっている人はほぼいない。第1号になりたい」と強い気持ちで闘ってきた。

 三浦監督も「戻ってきたなという投球を見せてくれた。ブルペンの柱というか、頼もしい投手が戻ってきた」と目を細めた。「手術をして投げられるようになったとはいえ、1年間通じてしっかり戦って初めて“復活”と言われるんだと思う」と三嶋。戦線離脱中に伊勢、入江がセットアッパーに定着しつつあるが「僕がそこのポジションを奪いにいく立場なので、そこは負けないように」。真の「復活」へ力強く踏み出した。(伊藤 幸男)

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2023年2月23日のニュース