侍・高橋宏 タイブレーク要員に抜てき 栗山監督「三振取れる」「四球で崩れない」

[ 2023年2月23日 05:00 ]

侍ジャパン強化合宿 ( 2023年2月22日    サンマリン宮崎 )

先輩投手陣を背に、ハツラツとノックを受ける高橋宏(撮影・白鳥 佳樹)
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 第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に出場する侍ジャパン・高橋宏斗投手(20=中日)が25日のソフトバンクとの壮行試合でのタイブレーク要員に抜てきされた。試合終了後にエキストライニングとして10回無死二塁から登板を予定。本番想定の予行演習で適性テストが組まれた。

 栗山監督は抜てきの理由を「三振を取れる」、「四球で崩れない」、「皆が気が付かない能力を発揮できる(若い)世代。幅がある」と説明した。延長を想定した10回表無死二塁で、1点も許されない緊迫の場面。通算19試合登板で先発経験しかない高卒3年目の高橋宏が、適性を試されることになった。

 チーム最年少の20歳は「そこのポジションを与えられたことはうれしかった。緊迫した場面になるが凄く楽しみ。やってやるぞという気持ち」と語った。

 昨年11月5日の日本ハムとの強化試合は「第2先発」を任された。2番手で3回3安打無失点。試合開始時間から逆算する普段のルーティンを崩し、適応力を示した。慣れないWBC使用球でも、先発からいい流れを引き継いだ実績がある。

 最速158キロの直球とスプリットで、昨季は規定投球回に未達ながらリーグ3位の134三振を奪った。100イニング以上投げた投手ではリーグトップの奪三振率10・34。四球は42と少なく制球力も備える。「(打球が)前に飛ぶとランナーが三塁に行くかもしれない。求められるのは三振」と役割を理解している。

 中京大中京ではコロナ下の20年に甲子園で開催された1試合限りの交流試合で智弁学園戦に先発し、タイブレーク方式の延長戦に突入後も登板。「覚えていないです。点取られましたか?」と記憶は薄れていたが、10回無死一、二塁から無失点に抑えた。今度は、3大会、14年ぶりの世界一を目指すWBCに向けた試金石。タイブレーク要員は21年夏の東京五輪では西武・平良が務め、昨年11月6日の巨人との強化試合では伊藤が起用された。

 指揮官は「一番大事なものを持っている」と送り出す。高橋宏は「タイブレークになるということは僅差の1点もやれない場面。尻上がりとか、そういう状況ではない」と修羅場での戦いを見据えた。(神田 佑)

 ▽高橋宏とタイブレーク 中京大中京3年だった20年夏、甲子園で開催された交流試合の智弁学園(奈良)戦に先発。延長突入で同大会初のタイブレークとなった10回無死一、二塁から2死を奪い、最後は150キロで空振り三振。149球、最速153キロの直球を武器に11奪三振の10回3失点の熱投で、直後のサヨナラ勝利を呼び込んだ。

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