イチロー氏 高校野球女子選抜戦の意義 「3年生にとって目標になるような取り組みでありたい」

[ 2022年11月3日 17:09 ]

<イチロー選抜・高校野球女子選抜>試合後、高校野球女子選抜ナインと笑顔で話する松坂氏(左から)とイチロー氏 (撮影・白鳥 佳樹)
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 マリナーズ会長付特別補佐兼インストラクターのイチロー氏(49)が率いる草野球チーム「KOBE CHIBEN」と「高校野球女子選抜」のエキシビションマッチが3日、東京ドームで行われ、7-1で「KOBE CHIBEN」が女子選抜を下した。

 イチロー氏は「9番・投手」、元西武の松坂大輔氏(42=本紙評論家)が「4番・遊撃」で先発出場。イチロー氏は2安打1失点14奪三振、130球を投げて完投した。打っては第1打席で一ゴロ、第2打席は三飛、第3打席は一ゴロ、第4打席は一ゴロ併殺打で無安打だった。松坂氏は、4打数3安打1打点で遊撃でも軽快な守備を見せた。

 試合後、イチロー氏は2年連続で行われたエキシビションマッチについて「昨年初めての試みで神戸で行ったけれど、高校3年生の女子高生たちの大きなモチベーションになったらいいなという思いで。僕が投手でまあ130キロぐらい…女子だとなかなか130キロ投げられないと思うんですよね。でも、良いバランスでこのゲームができるんじゃないかと。松坂選手も加わってくれて、さらに女子高生たちが、甲子園も東京ドームも始まったけど、新たにこういうステージがあるということはとても意義があることになるんではないかと信じて戦いました」。

 高校野球女子は甲子園での決勝開催が実現したほか、今年は選抜大会決勝が初めて東京ドームの開催されるなど取り巻く環境は変化してきているが、イチロー氏は選手のさらなるモチベーションとなるよう、自身も真剣勝負の準備をして臨んでいた。

 14奪三振131球で完投し、「ボロボロです」と苦笑しながらも、この試みは僕自身もアスリートとしての限界を見られる良いチャンス。今日もボロボロになるまでやろうと思いました。これは現役のプロ野球選手は絶対できないことなので。毎日、限界を迎えたいと思いつつ、なかなかできることではない。今日は今日の限界を見たような気がして気持ちよかった」とすがすがしい表情。

 「今日のこのゲームは、この会場にいるすべての方が作り上げてくれた。ブラスバンドの応援、ファンの皆様…みんながすごく良い空気の中で野球できて、でも真剣勝負で。なんとも言えない充実感があります。何より大事なことは、3年生にとって目標になるような取り組みでありたい。会場にいらしてくださることが、それを支えることになります。僕たちも大輔も頑張ります。どこまで自分がアスリートとしていけるかわからないですが、僕は限界に挑戦したいと思っています。ぜひこの取り組みを応援してくれたらうれしい」とファンに挨拶した。

 松坂氏も「初めて参加して、イチローさんのこの試合にかける情熱と、女子高生の皆さんと対戦して、熱量とか熱さを見て、それに全力で応えたいと思いました。この試合に参加することがこれからのモチベーションになると思う。来年に向けて1年かけて体つくって臨みたい。参加してよかったなと思います」と充実の表情だった。

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