松坂大輔氏が清原氏と日本S看板弾の秘話明かす 「嫌がった」内角球、清原氏はベースから離れていた

[ 2022年11月3日 21:05 ]

松坂大輔氏
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 西武やレッドソックスなどで活躍し、日米通算170勝を挙げた松坂大輔氏(42)が3日、自身のYouTube「松坂大輔official YouTube」を更新。西武、巨人、オリックスで通算525本塁打を放つなど活躍した清原和博氏(55)をゲストに招き、さまざまな思い出を語った。

 2人の日本でのオープン戦なども含めた対戦成績は27打数7安打で2本塁打、9三振となっている。松坂氏は「やっぱりあの日本シリーズで打たれたホームラン、あれはもう何度も言うんですけど、本当忘れることないですね」と切り出した。西武と巨人の対決となった2002年10月26日の日本シリーズ第1戦(東京ドーム)の3回。2人のこの試合、2打席目の対決シーンを、2人で振り返った。

 初球は高めのウエストでボール、2球目はスライダーでストライクをとり、3球目は外角に外れ、カウント2ボール1ストライクとなった。迎えた4球目。伊東勤捕手からのサインは内角高めの直球だったが、松坂氏が投じた1球は甘く入り、左翼席の看板弾となった。

 清原氏が「打席離れてるなって思ったでしょ?」と聞くと、松坂氏も「思いました」と呼応。「2000年(シーズン)くらいから離れたのよ。2001年はメッチャ離れてた。インサイドは(体に)近いと思ったら、(見逃して)ボールにしようと思って。もうインサイドを打つの諦めたのよ」と清原氏が説明すると、松坂氏は「ミーティングで、そのインサイドのストレートの話はしてたんですけど、やっぱり、あそこまで離れると投げづらくて。思っていた以上に離れていた」と振り返った。

 ホームベースから離れて立つことで、体に近い球はおのずとボールになる。逆にストライクゾーンに来た球はさばける。そんな清原氏の意図を松坂氏は当時、知る由もない。ただホームベースから離れる姿に対し「僕は(内角の)サイン出た時、すごい嫌がったのは覚えてます。どの辺りに投げていいのか、正直分からなかった。本当に厳しく行かなきゃいけないのか、内側だったら多少甘めでもいいのか。いけないんですけど、ちょっと探りながら投げちゃった。それがちょっとしたコントロールミスに繋がったと思う」と偽らざる思いを語った。

 オープン戦やオールスターでの対戦はそれまでもあったが、野球を始めたころからのヒーローだった清原氏との初めてといっていい真剣勝負だった。清原氏は「本当にね、ベンチプレス200キロ上げたくらいの感覚ですね。松坂投手の球って、勢いがあるので、それに押し負けないように打った。あれはほんのちょっとでも差し込まれてたら、凡打になっている」と話すと、松坂氏は「球の勢いの話をしてくれましたけれども、それをまったく感じさせない跳ね返され方」と脱帽した。

 清原氏の会心の一発もあり、巨人が西武との日本シリーズを4勝0敗と圧倒した。シリーズの流れを決定づけた本塁打となったが、清原氏は「一発で仕留められた。これが俺の得意な高さなんだよね。ベルトよりちょっと低め。ベルトより高かったらファウルになってる。基本的にローボールヒッターやから。俺のベストスイングができるところにボールがきた」と謙遜。松坂氏は「日本シリーズのホームランと言えば、もう僕が小さい時から何本も見てきてますから、清原さんのホームランを。まさか自分が打たれるとは思っていなかったですけど」と話した。打った側も打たれた側もうれしそうだった。

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