ヤクルト山下輝 球団初の日本シリーズ新人勝利なるか 勝ち越し許した直後に打線が逆転

[ 2022年10月27日 21:19 ]

SMBC日本シリーズ第5戦   ヤクルト―オリックス ( 2022年10月27日    京セラD )

<オ・ヤ>2回、ピンチをしのいで笑顔の山下(撮影・大森 寛明)
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 ヤクルトのドラフト1位ルーキー左腕、山下輝投手(23=法大)が2勝1敗1分けで迎えた日本シリーズ第5戦(京セラD)に先発登板。勝ち越しを許した直後に味方打線が逆転に成功し、勝利投手の権利を得て5回7安打3失点で降板した。このまま山下が勝利投手となれば球団初となる新人での日本シリーズ勝利となる。

 マウンドに上がる前の初回に味方打線がオスナの中前適時打で幸先良く1点先制。2回には打撃不振だったサンタナに1号ソロが飛び出し、早々に2点の援護をもらった。

 2回の2死二、三塁を無失点で切り抜けると、3回にはこの試合初めての3者凡退。だが、2―0で迎えた4回だった。先頭の4番・吉田正を初球で打ち取ったものの、杉本、宗に連打されて一、二塁のピンチ。2死後、紅林に外角高め138キロ直球を中前適時打とされて1点差に迫られた。さらに9番の若月には左翼線を破られ、適時二塁打で同点。続く佐野皓には初球カットボールが死球となって2死満塁となおもピンチが続いたが、ここは西野を二ゴロに打ち取り、勝ち越しは許さなかった。

 だが、2―2で迎えた5回、1死から吉田正にバックスクリーン右へ1号ソロを被弾。1ボールからの2球目、真ん中付近へ入った137キロ直球を完璧に捉えられた。5回までに84球。このままでは勝利投手になれない可能性もあったが、直後の6回攻撃で味方打線が奮起した。長岡の右前適時打で3―3の同点に追いつくと、青木の右翼線への適時二塁打で勝ち越し。その裏からヤクルトのマウンドには2番手として元守護神の石山が上がり、山下は勝利投手の権利を持っての降板となった。

 山下の投球内容は5回で打者24人に対して84球を投げ、7安打3失点。2三振を奪い、与えた四球は1つ、死球が1つ。直球のMAXは142キロだった。降板後、球団を通じて「初めての日本シリーズで凄く緊張しました。とにかく一人一人攻めていこうという気持ちで一生懸命投げました」とコメントした。

 新人投手の日本シリーズ先発は2019年第3戦の高橋優貴(巨人)以来3年ぶりで、球団では1992年第3戦の石井一久以来30年ぶり。山下が勝利投手となると、17年第4戦の浜口遥大(DeNA)以来5年ぶり6人目、球団では初の快挙となる。

 レギュラーシーズンでは2試合登板(いずれも先発)にとどまったが、9月30日の広島戦(マツダ)でプロ初勝利を挙げて1勝1敗、防御率1・46。阪神とのクライマックスシリーズ(CS)ファイナルステージ(神宮)では15日の第4戦先発投手と発表されていたが、14日の第3戦でチームの日本シリーズ進出が決まって登板が消滅していた。

 ◆山下 輝(やました・ひかる) 1999年(平11)9月12日生まれ、千葉県出身の23歳。木更津総合時代に3度甲子園出場。法大では3年春に2勝&防御率0・00で優勝に貢献し、4年秋は防御率1位の0・98。ヤクルトに2021年ドラフト1位指名を受けた後に左尺骨を疲労骨折した。22年9月22日の中日戦(神宮)でデビューし、同30日の広島戦(マツダ)でプロ初勝利を飾った。1年目の成績は1勝1敗、防御率1・46。身長1メートル88、体重100キロ。左投げ左打ち。

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