広島ドラ2内田、野手一本で新井監督ロードを進む 4番候補で三塁手で努力家と共通点多数

[ 2022年10月27日 05:00 ]

指名あいさつを終えて、高山スカウト(左)にカープ帽をかぶせてもらう利根商・内田(撮影・河合 洋介)
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 広島からドラフト2位指名を受けた内田湘大内野手(18=利根商)が26日、群馬県利根郡の同校で高山健一、尾形佳紀両スカウトから指名あいさつを受けた。高校通算36発を誇る右の大砲。「将来の4番候補」「三塁手」「努力家」など共通点の多い新井貴浩監督(45)の現役時代を理想像に掲げ、二刀流ではなく野手一本で勝負する決意を示した。

 決して、建前で監督の名前を口にしたわけではない。内田が思い描く青写真は、新井監督の現役時代とそのまま重なっているのだ。

 「新井監督のように、監督の走ってきた道を進んでいきたいと思います」

 目指すのは、指揮官も担った赤ヘルの4番だ。豪快なスイングから生まれる天性の飛距離を武器に、高校通算36発を数えた右の長距離砲。担当の高山スカウトから「(鈴木)誠也みたいな打球を打てる。4番を打てる逸材」と大きな期待を受けて、目標が決まった。

 「未来の4番を担ってほしいと言ってくださった。そうなれるように頑張りたい。持ち味の長打力を生かしたいです」

 守備位置も新井監督と同じになりそうだ。投げては最速149キロを誇り、今夏は抑え投手を務めた二刀流。プロでの投手継続を視野に入れていたものの、「将来の4番候補」と評価されて迷いは消えた。「野手で、と言われたので、そこは割り切ります」。球団からは、かつて指揮官が守った三塁手として育成する方針を伝えられた。

 高校では主に投手か一塁を守った。内野用グラブを持っておらず、現在は先輩から譲り受けたグラブで練習中。内野の経験が浅いとはいえ、同スカウトは「肩は強いし、ハンドリングも柔らかい」と評価し、三塁手の適性があるとみている。

 新井監督も入団直後は守備が課題と言われた。そこから球団伝統の猛練習をこなし、阪神時代の08年に一塁手としてゴールデングラブを受賞するまでに成長した。内田の座右の銘は「蟻」で、その理由はコツコツと努力できるから。努力家の一面も指揮官と重なる。

 そもそも広島との縁は、新井監督の一言から始まった。ドラフト前日のスカウト会議でのこと。何十人もの有力選手の映像を確認した中で、推薦したのが内田だった。「監督が一番期待を寄せてくれた野手だと聞いた。その期待に応えたいです」。指揮官がほれた大砲候補が、フルスイングで「新井ロード」をまい進していく。(河合 洋介)

《内田 湘大(うちだ・しょうだい)》
 ☆生まれ&サイズ 2004年(平16)9月22日生まれ、長野県出身の18歳。1メートル83、89キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 小海中時代は「西毛ボーイズ」に所属。利根商では1年夏からベンチ入りし、一塁手兼投手としてプレー。今夏は群馬大会4強入りし、甲子園出場はなし。

 ☆ダブル・ツインズ 双子の次男として生まれ、兄・耀晴とは利根商で同僚としてプレー。さらに5歳下の弟妹(凰貴、茉鈴)も双子という珍しい家族構成。

 ☆持ち球 投げては、最速149キロの直球にスライダー、カーブ、フォークを操る本格派。プロでの二刀流挑戦の夢は封印して野手一本に。

 ☆好きな食べ物 「お母さんがつくったおにぎり」。帰省すると「つくって!とお願いします」。

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