オリ、零封リレーで逆襲1勝 中嶋監督「三振を取れる」宇田川投入でピンチ断つ 育成出身6人目日本S勝利

[ 2022年10月27日 05:01 ]

SMBC日本シリーズ2022第4戦   オリックス1-0ヤクルト ( 2022年10月26日    京セラD )

宇田川(左)や山崎颯らとタッチをかわす中嶋監督(撮影・大森 寛明)
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 「SMBC日本シリーズ2022」第4戦が26日、京セラドーム大阪で行われ、オリックスが今シリーズの初勝利を挙げた。再三のピンチを招きながら、中嶋聡監督(53)の起用に宇田川優希投手(23)、山崎颯一郎投手(24)らが応える零封リレー。3回に杉本裕太郎外野手(31)が挙げた先制点を守り抜いた。1―0でのシリーズ勝利は球団史上初。対戦成績を1勝2敗1分けとした。

 「中嶋マジック」でやり返した。1点優勢の5回1死、先発・山岡が塩見に中越え三塁打を許すと、中嶋監督が動いた。無失点だった右腕をスイッチし、宇田川を送り込んだ。

 「三振を取れる投手を、ということで宇田川でいきました。凄い打者が多いので、その選択肢しかなかった」

 指揮官の起用に、育成出身の2年目右腕も応えた。「(肩を)つくり始めてすぐでしたが、“走者が出たら行くよ”と言われていたので心の準備はできていました」。山崎を142キロの落差の鋭いフォークで空振り三振に仕留めると、前夜の第3戦で決勝3ランを放った山田からは145キロフォークで見逃し三振を奪った。

 ハイライトは回をまたいだ6回。先頭・村上に四球を与えるなど1死一、三塁を招いてギアを上げた。まずはサンタナを140キロフォークで空振り三振。なおも2死二、三塁とピンチは続いたが、中村を高め153キロ直球で2者連続空振り三振に退けた。自己最速を更新する159キロを計測するなど、球威で押し切りヤクルト打線の反撃機運を遮断した。

 育成出身の日本シリーズ勝利投手は、17年のソフトバンク・千賀らに続き6人目。今季最終戦だった2日の楽天戦でも4回無死一、二塁の危機を抑え勝利投手になったリーグ連覇の立役者が、今シリーズ初勝利に導いた。中嶋監督も「頼りになる?期待はしていますよ。頼りにはしていない、まだ早い」と独特の言い回しで称えた。

 9回はワゲスパックが2死二塁を背負ったが、第2戦で代打3ランを放った内山壮を捕邪飛に打ち取り4投手による零封リレーを完成させた。球団の日本シリーズ零封勝利は前回日本一に輝いた96年巨人との第2戦以来26年ぶりで、1―0勝利は球団史上初だった。

 「明日(27日)本拠地は最後になるかもしれないし、いい試合を見せたいし、勝ってタイにしたいですね」と中嶋監督。強力リリーフ陣が、大逆転劇を演出する。(湯澤 涼)

 ○…オリックスがシリーズ初勝利。引き分けを含め2連敗後から初勝利を挙げたのは16年日本ハム以来6年ぶり19度目。過去18度のうち優勝は6度でV確率は33%になる。逆転Vの6度は全て次の試合も勝って2勝2敗のタイに持ち込んでおり、第5戦は負けられない。

 ○…20年育成ドラフト3位入団の宇田川(オ)が勝利投手。育成ドラフト出身者の日本シリーズ勝利は、09年山口鉄也(巨)、11年山田大樹(ソ)、17、19、20年千賀と石川(ともにソ)、17年砂田(D)以来6人目。入団2年目でのシリーズ初勝利は、山口、石川、砂田の4年目を抜いて最速となった。

 ◇宇田川 優希(うだがわ・ゆうき)1998年(平10)11月10日生まれ、埼玉県出身の23歳。八潮南から仙台大を経て、20年育成ドラフト3位でオリックス入団。今年7月28日に支配下選手登録され、8月3日の西武戦で1軍初登板。9月8日の西武戦で救援としてプロ初勝利を挙げた。今季は19試合登板で2勝1敗、防御率0.81。1メートル84、92キロ。右投げ右打ち。父は日本人で母はフィリピン出身。

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