エース由伸がオリ連覇の道筋「凄い重圧がかかる試合なので、こういう時こそカバーし合って」

[ 2022年9月11日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス5―2ソフトバンク ( 2022年9月10日    京セラD )

<オ・ソ>4回2死満塁、渡部の2点適時打に沸く山本(左から2人目)らオリックスナイン(撮影・大森 寛明)
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 エースで今季初奪首!オリックスは10日のソフトバンク戦に5―2で勝利し、最大11・5ゲーム差をはね返して今季初の単独首位に浮上した。先発・山本由伸投手(24)が7回2失点(自責1)で両リーグトップの13勝目。プロ野球史上初となる2度目および2年連続の「投手4冠」を視界に捉える絶対的エースが、連覇への道筋を示した。

 129試合目、ついに昨季王者オリックスが首位に立った。立役者は、山本だ。

 「凄い重圧がかかる試合なので、こういう時こそカバーし合って。それができたので勝ちにつながったと思います」

 右腕は味方のミスに燃える。理由がある。「投手はいつも野手に助けてもらっていますから仲間にミスが出た時こそ僕が投げ抜かないといけない」。象徴的だったのが4回。紅林の失策で1死二塁を背負い、一段階ギアを上げた。柳町に4球連続ファウルで粘られるなどした12球目、143キロフォークで空振り三振。続くグラシアルも149キロフォークで空振り三振。その姿はまさにエースだった。

 自己最速にあと1キロと迫る158キロを連発した持ち味の直球に、フォークやカーブを織り交ぜて緩急を駆使。初回こそ内野安打と味方失策で無死一、三塁とされ、牧原大のタイムリー内野安打で先制点を献上したが、冷静に後続を断って最少失点で切り抜けた。

 「粘っていけば、絶対に越せるだろうと思っていた。逆転してもらって、リードを守れたので良かったです」

 終わってみれば、7回2失点で両リーグトップの13勝目。勝利数に加え防御率1・80、勝率・722、181奪三振もリーグトップで、プロ野球史上初となる2度目および2年連続の「投手4冠」に前進した。オリックス史上初となる2度目の沢村賞にも手が届く。

 試合前時点でゲーム差無しで追っていた首位ソフトバンクを撃破し、今季初めて単独首位に浮上。5月11日時点では首位だった楽天に11・5ゲーム差をつけられて4位だった。10ゲーム差以上をはね返して首位に立つのは16年日本ハム以来16球団目で球団史上初だ。

 「優勝争いができていることに幸せを感じる。僕ができることは投げる試合に、とにかく勝つこと。一試合も落とさないように」と山本。背番号18が、連覇をたぐり寄せる。(湯澤 涼)

 《91試合かけ逆転》オリックスは5月11日の時点で1位の楽天から11・5ゲーム差の4位だったが首位に浮上。10ゲーム差以上をはね返して首位に立つのは16年日本ハム以来延べ16球団目で球団初だ。過去15球団のうち7球団が優勝したがオリックスはどうか。なお、11・5ゲーム差からこの日までの成績は91試合で勝率・578。10ゲーム差以上から首位に立った球団の中では63年西鉄の77試合を上回る最多試合数を要し、勝率は98年西武の・583を下回る最低。急激な追い上げではなく、最大差の時点で首位だった楽天が以降は勝率・413、同じく2位のソフトバンクが・477とともに失速したことにも助けられた逆転劇になった。

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2022年9月11日のニュース