エンゼルス・大谷 2発!自己最多タイ10塁打!メジャー500安打!ジャッジとのMVP争い白熱

[ 2022年9月7日 02:30 ]

ア・リーグ   エンゼルス10ー0タイガース ( 2022年9月5日    アナハイム )

<エンゼルス・タイガーズ>7回、ソロ本塁打を放つ大谷(撮影・白鳥 佳樹)
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 超激烈なマッチレースだ。エンゼルスの大谷翔平投手(28)が5日(日本時間6日)、タイガース戦で今季6度目の1試合2本塁打をマークした。3回に31号2ラン、7回に32号ソロを放ち、日本選手5人目の通算500安打も達成。32号はリーグ単独2位に浮上も、独走で1位のヤンキースのアーロン・ジャッジ外野手(30)はこの日、3試合連発の54号を放った。MVP争いはより激しさを増してきた。

 3・3秒と5・6秒。まるで魔法のように、大谷のバットからはどんな打球も生み出される。そして本拠地のファンは、魔法にかけられたかのように熱狂する。まさに異次元の2発だった。

 「ボールの見え方とかは悪くない。打っている感じもいい。継続して頑張りたい」。初回に二塁打を放ち、迎えた3回1死二塁。アレクサンダーの初球の直球をはじき返すと、超低空ライナーが発射された。打球速度111・4マイル(約179キロ)で、本塁打になった打球では今季最も低い打球角度19度。引力に逆らい、鋭い軌道を描いたまま3・3秒で右翼フェンス上部の電光掲示板を直撃した。

 2発目はムーンショットだった。7回無死で、ヒルのまたも初球。スライダーをかち上げると、打球角度31度でアナハイムの晩夏の空に高々と舞い上がった。1本目とは対照的に5・6秒もかけて左中間最深部へ。31、32号。シーズン6度目の1試合2発は、00年トロイ・グロースに並ぶ球団記録となった。

 今季12度目の1試合3安打で10塁打は自己最多タイ。日本選手5人目の500安打に到達した。ここ7戦5発で打率も今季最高の・270。「波のある時にしっかり結果につなげていきたい」。北米大陸の反対側、ニューヨークではジャッジが3戦連発の54号。大谷の32号はリーグ単独2位に浮上も、ライバルは独走を続ける。「モチベーションになっている」というリーグMVP争いで、一歩も引くつもりはない。大谷最大の強みは二刀流。既に投手でリーグ8位タイの11勝を挙げ、同5位の防御率2・58と181奪三振。「1試合2発&2桁奪三振が6度以上」はメジャー初の快挙だ。

 9点リードの8回1死一塁では、通算354勝のロジャー・クレメンスの四男で内野手のコディーと対戦。68・3マイル(約110キロ)のスローボールに見逃し三振に倒れた。大谷は「長打か三振か思い切りいったけど、素晴らしいボールでした!」と冗談めかした。

 チームは快勝したが、首位アストロズも勝ったため、8年連続で地区優勝を逃すことは決まった。残り27試合。MVP3度の同僚トラウトは「残り試合も常軌を逸するような活躍をしてくれるだろう」と期待した。常軌を逸し、魔法をかける。その先に2年連続の栄誉が待っている。(笹田 幸嗣通信員)

 《マルチ本塁打今季6度目》本塁打2本と二塁打1本で、大谷の10塁打は自己最多4度目。18年に2度、19年に1度マークしている。マルチ本塁打は今季6度目で通算12度目。30号のトラウトとのアベックアーチ「トラウタニ」弾は8月28日のブルージェイズ戦以来、今季7度目で通算21度目。通算500安打は、同498安打の福留孝介を抜いて日本選手5位となった。

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