秋山V3ランで広島4連勝!根底にあるフォア・ザ・チームの精神 2000安打の発言を修正した理由は

[ 2022年9月7日 04:45 ]

セ・リーグ   広島4-2中日 ( 2022年9月6日    バンテリンD )

<中・広>3回、秋山は先制となる3ランホームランを放つ(撮影・椎名 航)
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 広島は6日の中日戦(バンテリンドーム)に4―2で逃げ切り、連勝を4に伸ばした。3回に秋山翔吾外野手(34)が先制の5号3ランを右翼席へ運ぶなどして一挙4点。九里亜蓮投手(31)は7回途中2失点の好投で6勝目を挙げ、最後は栗林が28個目のセーブで締めた。ヤクルトに敗れたリーグ3位・阪神とは1ゲーム差。自力でのクライマックスシリーズ(CS)進出の可能性も復活だ。

 快音を発した打球は放物線を描いて敵地の右翼席に着弾した。3回1死一、二塁の好機で、広島・秋山が価値ある5号先制3ラン。カウント2―2から柳が投じた6球目の内寄りカットボールを、名誉挽回の思いを込めて強く振り抜いた。

 「1打席目に流れをつかめなくて、自分の中でショックは大きかった。本塁打は良かったけど、狙って打ち切れたとか、反応で打てたとかじゃなく、たまたま感がすごくある」

 独特の言い回しで本音を吐露する34歳。伏線はあった。初回1死三塁の先制機で、初球の内角高め直球に痛恨の二邪飛。「もう結果が出るか出ないか。順位がかかっている」。逆転Aクラスへの正念場。実力者には受け入れ難い結果だった。

 2打席目にも3球内角を突かれながら、甘く入った1球を逃さずひと振りで仕留めた決勝3ラン。「厳しいコースの後だったので、振るスペースがあったのかな…と」。勝利への貢献を誓う以上、同じ失敗は許されない。主力のプライドだった。

 根底にあるのはフォア・ザ・チームの精神だ。6月30日の入団会見で口にした2000安打の大目標。秋山は後日「伝え方が悪かった。2000本を目標にしてカープを選んだわけじゃない。それはあくまで個人目標であって、チームとは別の話」と発言を修正、個人主義を否定した。

 発熱による体調不良で8月下旬に7試合を欠場し、8月7日の阪神戦以来となる出場18試合71打席ぶりの一発。佐々岡監督は「2打席目にしっかり返してくれた。あの一発は大きかった。まだ本調子ではないかもしれないけど、要所で貢献してくれている」と称えた。

 チームは怒濤(どとう)の4連勝。延長戦でヤクルトに敗れたリーグ3位・阪神とは1ゲーム差に肉薄し、自力でのCS進出の可能性さえも復活した。泣いても笑っても残りは15試合。秋山は言葉に力を込める。

 「僕らは目の前の試合を(全力で)やるだけ。キク(菊池涼)はしんどい中でも試合に出ている。僕も出ている限りは頑張りたい」

 チームの勝利を最優先する主力たちが引っ張るシーズン終盤。秋風はまだ吹かせない。(江尾 卓也)

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2022年9月7日のニュース