【スポニチスカウト部(11)】BCリーグ栃木・石川慧亮 意識改革で攻守磨く 空き時間無駄にしない

[ 2022年5月3日 07:00 ]

プロ入りを目指し、持ち味の長打力に磨きをかけるBC栃木・石川
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 今秋のドラフト候補となる選手にスポットを当てる「スポニチスカウト部」。アマチュア担当記者の独自目線による能力分析とともに、選手たちの素顔を紹介する。第11回はBCリーグ・栃木の石川慧亮外野手(20)。パンチ力のある打撃が持ち味の長距離砲で、2年目を迎え、プロ入りへの思いは一層強くなっている。

 豪快なスイングに、大器の片りんが見える。石川自身も「思い切りの良さと、スイングスピードの速さが自分の持ち味」とする。4月22日の茨城戦の5回には、元ソフトバンクの巽から今季2号ソロを左翼席に運んだ。

 青藍泰斗時代に通算22本塁打を放った強打者。高3時は「自分は行けるだろうと思っていた」というが、ドラフトでは指名漏れを経験した。昨季は左膝のじん帯損傷で2カ月間離脱したが、34試合に出場し打率・311、3本塁打、24打点と上々の成績を残した。ただ「去年はなんとなくプロを目指してた。なんとなくやっていけばいいだろうという考えだった」と振り返る。

 昨季終了後に首脳陣との面談を通して、練習や試合への取り組みが甘かったことに気がついた。だから、今年は私生活から全て変えた。「今年はもう無駄な時間を過ごさないようにしている」と夕食後はすぐ次の行動に移し、少しでも空いた時間があればバットを振っている。

 「打率も上げていきたいですけど、本塁打の数も圧倒的じゃないと見てもらえない」。長打を打つことを一番に考えているが、逆方向への打撃を磨くため、フリー打撃では最初の6、7球は全て右方向へ打つ。昨季まではなかった取り組みだ。

 守備面でのレベルアップも図っている。スローイングは、元ロッテの成瀬善久投手兼任コーチに指導を受けながら下半身を使った投げ方を覚えた。「去年より良くなってきている。上(プロ)に行くなら内野もできないといけない」と三塁の練習にも取り組む。

 「自分で考えてやらないと成長できない場所」と大学や社会人ではなくBCリーグを選んだ。「毎日考えています。どうしても行きたいです。今年は思いが強い」とプロへの思いは強い。ぎらついた20歳の目は、夢の舞台を見据えている。(田中 健人)

 ≪熱帯魚が癒やし≫両親の影響もあり、石川は幼少期から生き物好きの一面がある。小学生時代は、埼玉県内の河川に出掛けては、魚や昆虫を追いかけていた。都内の実家では、トイプードルの愛犬・ラッキーに始まり、クワガタ、カメ、インコと生き物に囲まれている。自身も、BC・栃木入団とともに栃木県内で一人暮らしを始め「さみしいなと思った」と今年から熱帯魚のベタを飼い始めた。小型の水槽に1匹だけ飼育しており「ライトを照らして、きれいな感じにしてます。見てるときれいなので」。野球漬けの日々の中で、新たな「相棒」を眺める時間が癒やしになっている。

 ☆球歴 北野小1年時に梶山レッドスターズで野球を始める。赤塚一中時代は志村ボーイズに所属し、主に投手と中堅手を務める。青藍泰斗では1年春からベンチ入りし、2年秋の栃木県大会では優勝を果たした。甲子園出場はなし。

 ☆兄弟 兄は3歳上で中日育成右腕の石川翔。自身と同じ青藍泰斗から17年ドラフト2位で入団し、今季から育成契約。

 ☆合同練習会 高3だった20年9月に東京ドームでの「プロ志望高校生合同練習会」に参加。木製バットを使用してフリー打撃で2本の柵越えを放った。

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