広島・誠也 5戦連発25号 打率も上昇・313 王、落合に次ぐ史上3人目の6年連続3割25発見えた

[ 2021年9月9日 05:30 ]

セ・リーグ   広島1-4中日 ( 2021年9月8日    マツダ )

10日の阪神戦で7試合連続本塁打の日本記録に挑む広島・鈴木誠
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 広島の鈴木誠也外野手(27)が8日の中日戦(マツダ)で自己最長を更新する5試合連続本塁打を放った。2回の先頭打者で左翼席へ25号先制弾。9月は早くも6本目となり、月間MVPを初受賞した7・8月を上回るペースで量産する。試合は1―4で敗れ、連勝は3でストップ。7回3失点の玉村昇悟投手(20)に6敗目が付き、チームはまた同率5位に後退した。

 手が付けられなくなってきた。鈴木誠が自己最長を更新し、05年6月に新井貴浩(スポニチ本紙評論家)が球団記録に並ぶ6戦連発をマークして以来の、鮮やかすぎる5戦連続アーチ。だが、チームの勝利に結びつかなければ喜べず、口数は少ない。

 「先制することができて良かったけど、負けたのでね…」

 2回の先頭打者。中日の先発・松葉が1ストライクから投じた内寄りカーブを振り抜くと、放物線を描いた打球は左翼3階コンコースへと吸い込まれた。先制の25号ソロ。しかも、第1打席で掛けた先制アーチは4戦連続という充実ぶりだ。

 この日は7・8月の月間MVPが発表された。意外にも、鈴木誠にとっては9年目の初受賞。打率・333、9本塁打、27打点はいずれもリーグトップで長打率、出塁率でも同1位の好成績だった。戦前に開かれた会見では素直に喜んだ。

 「自分ではあまり意識していなくて、気づいたら獲れていたという感覚。周りにすごい選手がいる中で選んでもらえて光栄です」

 東京五輪では侍ジャパンの4番を務め、金メダルを獲得。「すごい経験をさせてもらった」と振り返る一方、所属チームの低迷には「僕がずっと打てていなかったから」と責任を口にする。絶好調の後輩にも言及。“らしい”表現で、残り試合での貢献を誓った。

 「厳しい状況ですけど、最後まで諦めずにやりたい。今は坂倉の調子がいい。僕との勝負が数多くなると思うので、坂倉さまに負担をかけないよう、頑張りたいと思います」

 8月26日の巨人戦で菅野から2発を放って以来、12試合で実に10発。9月は早くも6本を数え、月間MVPの7・8月を上回る勢いだ。打率もリーグ3位の・313まで上昇。その爆発力と底力を考えれば、偉業達成への期待が大きく膨らむ。

 あの王貞治、落合博満に次ぐ史上3人目の6年連続3割、25本塁打。個人記録には興味を示さない主砲だが、チームの勝利を引き寄せるために今日も集中力を研ぎ澄ます。(江尾 卓也)

 《3割&25本塁打、王は8年連続》鈴木誠(広)が自己最長を更新する5試合連続本塁打を放ち、16年から6年連続で25本塁打に到達した。打率も昨季まで5年連続で3割をクリアしており、シーズン規定打席に到達して6年連続打率3割&25本塁打なら、63~70年の王貞治(巨=8年連続)、81~87年の落合博満(ロ→中=7年連続)に次ぐ3人目となる。

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