2年ぶり中5日でもソフトB・千賀だ!ソフトボール・上野の金言胸に7回無失点 三塁踏ませず5勝目

[ 2021年9月9日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク9-0西武 ( 2021年9月8日    メットライフD )

<西・ソ>5回2死、山川を空振り三振に打ち取り叫ぶ千賀(撮影・篠原岳夫)
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 中5日の快投!ソフトバンクの千賀滉大投手(28)が8日の西武戦に先発し7回無失点、無四球で5勝目を挙げた。後半戦は自身無傷の4連勝。オリックスがロッテに敗れたため、前夜消滅した自力優勝の可能性も復活。9回は左肘滑液包炎から復帰した守護神・森唯斗投手(29)が約4カ月ぶりの登板で1回を3人で料理。打線も大量9点を奪って援護した。王者が底力を見せるのはこれからだ。

 マウンドを制するものは試合を制する――。自力V消滅から一夜。千賀は7回4安打無失点の好投で重苦しい空気を振り払った。三塁を踏ませない圧巻の投球で東京五輪から凱旋後4戦4勝。「先に点をやらないことだけを考えている。その中で楽すぎる展開にしてくれた野手の人が全てです」と序盤、大量9点の援護に感謝した。

 最速158キロの直球と代名詞「お化けフォーク」を軸に6三振。レギュラーシーズンでは19年9月12日西武戦以来で、今季初の中5日も91球を平然と投げきった。

 心の中にはソフトボール東京五輪日本代表のエース、上野由岐子の言葉が刻まれている。「超一流はそれに見合ったことをしている。二流は二流のことしかしていない。超一流の人と過ごして、考えていることを肌で感じることが良い」。2人は12年1月に初めて合同で自主トレし意気投合。それ以降もオフにタイミングが合えば、ともに行った。39歳で日本のエースとして君臨する上野の言葉に「プロの世界で10年過ごして本当にそうだと思う。トップでやってきた方の言葉は凄い」と胸を打たれた。東京五輪では2人とも金メダルを獲得した。

 メットライフのマウンドは他の球場より低く苦手としていた。同球場の先発試合は11試合で5勝5敗。18年には3連敗を喫した。対策を練った。「自分で高さをつくらないといけない」。試合前のブルペンでは傾斜が緩やかなプレートの1メートル前から投球練習。本番を想定したのだ。「投げづらさがあるので“ここ用”を持っておけばいいのかな」。前回8月25日西武戦では7回2安打も6四球と制球に苦しんだが、この日は無四球。これが超一流の修正力だ。

 工藤監督は「前回よりもボールを前で叩けていたので修正ができていた。頼もしいですね。千賀が投げる=勝ち。どしっと座って何もしなくていいと思った」とご満悦だった。

 首位・オリックスが敗れたため自力優勝の可能性が復活。それでもエースは冷静だ。「何も考えていない。僕にコントロールできるところをやるだけ」。雑音をかき消し、己と向き合う姿も超一流だった。(福井 亮太)

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