【市川いずみの届け夏エール】弘前っ子に「諦めない」姿勢見せた弘前学院聖愛・佐藤海

[ 2021年8月22日 05:30 ]

第103回全国高校野球選手権大会 2回戦   弘前学院聖愛3-4石見智翠館 ( 2021年8月21日    甲子園 )

<8日目第1試合 石見智翠館・弘前学院聖愛>9回無死一塁、弘前学院聖愛・佐藤海は右前打を放つ (撮影・奥 調)
Photo By スポニチ

 弘前学院聖愛は、青森で待つ“小さな応援団”に聖地で躍動する姿を見せました。17年から毎年冬場に実施する子どもたちとの野球教室。06年には1000人を超えていた弘前市の少年少女の野球人口は16年に約300人まで減少。「野球の楽しさを知ってほしい」と原田一範監督の発案で始まりました。

 選手がメニューを考え、学校の農業用ハウスの中で約2時間、一緒に汗を流します。主将の佐藤海君は「とにかく元気で積極的。僕たちも明るく楽しく取り組める」と話し、子どもたちから学ぶことも多いといいます。コロナ禍で自粛生活を強いられた昨春は自宅でできる練習を選手一人一人が動画に収めて送りました。佐藤君は瞬発力を養うジャンプトレーニングを紹介。「何が喜んでもらえるかを考えるようになり、他喜力(他人を喜ばせる力)が身に付きました」。教室は選手の成長の場にもなっています。

 甲子園出場が決まると“ぜんいんホームランうってきて”と寄せ書きされた横断幕をもらいました。9回に1点差まで迫り「諦めないところを見てほしい」と“お兄さんの背中”をみせたナイン。貫いた笑顔は、子どもたちにはとびっきりに輝いて見えたはず! ヒーローの帰りをみんな待っています。

 ◇市川 いずみ 京都府出身のフリーアナウンサー。山口朝日放送時代に高校野球の実況で「ANNアナウンサー賞最優秀新人賞」を受賞。高校野球検定に合格し自宅に甲子園の土を飾るほど生粋の高校野球好き。

続きを表示

2021年8月22日のニュース