天国の弟に届けたロッテ2年目・高部プロ1号2ラン 井口監督に通算200勝プレゼント

[ 2021年4月25日 05:30 ]

パ・リーグ   ロッテ11-9ソフトバンク ( 2021年4月24日    ZOZOマリン )

<ロ・ソ>4回1死一塁からプロ1号となる逆転2ランを放った高部(撮影・長久保 豊)
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 ロッテ2年目の快足外野手・高部は、16年に白血病で亡くなった弟・晴斗さん(享年16)の墓前に何度も足を運んできた。「1カ月に1回ぐらいは行っています。(調子などが)良くない時はなるべく行くようにしています。そこにいるだけで“もっと頑張らないと”という気持ちが凄い出ます」。お線香をあげて、少しゆっくりするだけ。それでもプロ野球選手になると約束した弟に会うことで、心はいつも強くなれた。

 投手陣が19安打を浴びたのに、打線は球団タイ記録となる13四球を選んで11点を奪った。試合展開が二転三転する乱戦の中で、高部のプロ初アーチは大きかった。3―4の4回1死一塁で、高橋礼の直球を右翼席へ運んだ。昨季プロ初安打をマークした同じ相手から、一時逆転となる2ランだ。5―6の5回2死満塁ではスチュワートから同点の押し出し四球をもぎ取った。

 今季は自身初の開幕1軍を果たしたが、わずか2試合4打数無安打で降格となった。それでも2軍で打率・404と打ちまくり、22日に再昇格。井口監督の通算200勝に貢献し「今やっと、スタートできたな」と自身初のお立ち台に上がった。

 プロ入りした際には「1安打につき1万円を白血病患者の支援基金に寄付したい」との目標も掲げた。「微力ですけど、それは絶対にやります」。その言葉には力がこもっていた。(横市 勇)

 ◆高部 瑛斗(たかべ・あきと)1997年(平9)12月11日生まれ、神奈川県出身の23歳。小3で野球を始める。東海大甲府では3年夏に甲子園出場し、3回戦進出。国士舘大では2部リーグで通算129安打の最多記録を残した。19年ドラフト3位でロッテ入り。昨季は1軍で1安打に終わったが、2軍ではイースタン・リーグ2位となる打率・344をマーク。1メートル78、72キロ。右投げ左打ち。

 ▼ロッテ・井口監督(球団7人目となる監督通算200勝)ようやく、ソフトバンクに今季1勝できた。(記念球は)益田がくれたので(監督室の)どこかに飾ります。

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