「早川より早いのはうれしい」阪神・伊藤将 12球団新人で完投勝利一番乗り 変則中16日も苦にせず

[ 2021年4月25日 05:30 ]

セ・リーグ   阪神13-1DeNA ( 2021年4月24日    甲子園 )

<神・D>1失点でプロ初完投勝利を挙げ、梅野(右)と笑顔で言葉をかわす伊藤将(撮影・北條 貴史)
Photo By スポニチ

 半袖でテンポ良く腕を振る姿が、見る者の心地よさを増幅させた。焦らず、緩まず。大量リードにも阪神・伊藤将は、最後までリズムを乱すことなく淡々と27個のアウトを奪った。

 「やっぱり(連敗を)止めたかったので本当に良かった」

 初回から6得点の大量援護はあっても、対じしたのは実力者が下位までズラリと並ぶ強力打線。「低めを意識して」と点差に甘えず、徹底する部分は変えなかった。「ランナーが出てゴロでゲッツー取ると流れもつかみやすかった」。5回まで3者凡退は初回の一度だけ。カットボールやツーシームを駆使し、3つのゴロ併殺で傷口を広げなかった。

 1失点、124球でのプロ初完投は今季の12球団新人では新人一番乗り。「早川(楽天)より早いってことですよね? それはうれしい」。横芝中軟式野球部の2学年後輩より先に9回を投げ切った事実に表情は緩んだ。球団新人では84年の池田親興以来となる4月までに先発で無傷の2勝を飾る快挙も付いた価値ある2勝だ。

 「調整というのは難しかったけど、チャンスは少ないのでものにしていかないと」

 雨天中止で先発ローテーションが再編された影響で、1軍マウンドは4月7日の巨人戦以来。2軍での実戦調整は挟んでも、中16日の間隔は簡単ではない。しかも、まだ経験の浅い新人だ。DeNA打線のデータと傾向を頭に叩き込む時間をたっぷり取って、万全の準備で本番を迎えた。

 打撃でも初回1死二塁で中前へプロ初安打。「やっと1本打てて良かった」と記念の白星に花を添えた。

 「完投できたのは良かったと思いますし、またずっと試合があるので。今日は野手の人に助けてもらった。接戦になった時に投げられるように、準備していきたいと思います」。即戦力の看板を体現するのは、これからだ。(遠藤 礼)

 《新人11年ぶり》伊藤将(神)が初の完投勝利。阪神新人投手では10年に秋山が9月12日のヤクルト戦で完封して以来11年ぶり。左腕では05年に能見が5月8日の日本ハム戦完投勝利以来16年ぶり。これでデビューから3試合で2勝0敗。4月末までに先発で無傷の2勝は84年池田親興の3勝以来37年ぶり。池田は6月29日の巨人戦で初黒星を喫するまで、救援勝利1度を含むデビュー5連勝している。

続きを表示

この記事のフォト

2021年4月25日のニュース