広島・安部、復活の千金3ラン 3カ月ぶり一発「ここしかない!」

[ 2018年7月21日 08:24 ]

セ・リーグ   広島10―9巨人 ( 2018年7月20日    マツダ )

初回2死一、二塁、安部は3ランを打つ(撮影・荻原 浩人)                                                                                                                                                                                
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 広島・安部が高らかに復活への狼煙(のろし)を上げた。被災者に少しでも笑顔になってもらおうと、ナイン一丸で逆転サヨナラ星を届けた熱戦。試合の主導権を握る一発を放ち、巨人先発・山口俊KOとチームの勝利にバットで貢献した。

 「得点圏でバッティングカウント。ここしかない!と、とにかく積極的にいきました」

 野間の左前打で先制した初回、なおも2死一、二塁の好機。2ボールからの甘い直球を振り抜くと、打球は右翼最前列に吸い込まれた。5月11日の阪神戦以来33打席ぶりの安打は、4月20日の中日戦以来3カ月ぶりの値千金2号3ランだった。

 苦しんでいた。昨季はリーグ4位の打率・310を残したが、今季は試合開始前の時点で打率・179の大不振。6月14日に出場選手登録を抹消され、7月16日にはい上がるまで1カ月間、炎天下で汗を流し続けた。

 「2軍の首脳陣に感謝したい。あの人たちの助言がなければ、ここに立っていない」

 まだシーズンは終わっていない。取り戻すチャンスは十分あるから――。5、9回には送りバントも成功させた。キラリと光った大技小技。メンタルをリフレッシュし、6月13日オリックス戦以来の先発機会を生かした。

 「ボク自身も久々のスタメン。元気や勇気を…などと軽々には言えないけど、ボクには全力で戦うことしかできないので…。勝ててよかったです」

 被災地復興への力になれば…と、ナイン一丸で7連勝中だった2位・巨人を倒した。苦境を乗り越えた29歳も、復活に向けて確かな一歩を踏み出した。 (江尾 卓也)

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2018年7月21日のニュース