【西東京】両軍計41四死球34得点 日大鶴ケ丘 9回4時間4分制し4年ぶり8強 球審「人生初」

[ 2018年7月21日 05:30 ]

第100回全国高校野球選手権記念西東京大会5回戦   日大鶴ケ丘19―15明大中野八王子 ( 2018年7月20日    ダイワ八王子 )

<西東京大会 日大鶴ケ丘・明大中野八王子>ナインとハイタッチする日大鶴ケ丘・勝又(中央)=撮影・郡司 修
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 第100回全国高校野球選手権記念大会(8月5日から17日間、甲子園)の地方大会は20日、15大会62試合が行われた。西東京大会5回戦で日大鶴ケ丘が明大中野八王子と両チーム計41四死球。勝又温史投手(3年)が4回零封、打っても2安打3打点、19―15の逆転勝ちで4年ぶりの8強入りに導いた。

 終わらせる。勝又の決意がボールにこもった。9回に4点を勝ち越し、裏の守り。三振、中飛、最後もビシッと三振だ。野球本来のテンポの良さ。この試合唯一の3者凡退で試合を締めくくった。

 「前回打たれて、仲間に助けられた。チームに勢いをつけようと思って投げました」

 今夏初先発した14日の都永山との3回戦は1回2/3で5失点。熱中症が原因で、0―5からの逆転勝利で救われた。12―15の6回、6日ぶりのマウンドへ。4四球こそ与えたが1安打しか許さず、7三振を奪って4イニングを零封した。投打二刀流のドラフト候補は打っても8回、2死二、三塁で「自分が打たないと終わる。狙っていった」と1点差に迫る右前への2点打。9回にも19点目を挙げる右越え適時三塁打を放った。

 9イニングで4時間4分の超ロングゲーム。勝又目当てに集まった8球団のスカウト陣からは「(高校野球で)こんな試合は見たことがない」と声が漏れた。乱戦の要因は両チーム合わせて41個の四死球。日大鶴ケ丘が2個の押し出しを含む18四球2死球、明大中野八王子は7個の押し出しを含む18四球3死球をもらった。四死球なしは明大中野八王子の3、9回の攻撃だけだった。

 5回終了時に熱中症予防のために設けられた5分間の中断中、球審は「こんな長い試合は人生で初めて」と話していたという。日大鶴ケ丘・萩生田博美監督は「しんどい試合でしたが、集中力を切らさずできた」とナインを称えた。一服の清涼剤となった勝又の投球。最速は151キロで自己記録にあと1キロだった。 (武本 万里絵)

 ☆甲子園 両軍合わせての記録は不明だが、夏は36年に静岡商が長野商戦で23四死球、春は1935年に浦和中が嘉義農林戦で21四死球を記録している。

 ☆プロ野球 17年4月1日の広島VS阪神が延長10回で28四死球(神15、広13)。9回まででは27四死球(神14、広13)。

 ☆大リーグ 四死球記録は残っておらず、四球では両軍合計30が最多。1916年5月19日のアスレチックス―タイガース戦(ア18、タ12)は9回で、71年9月14日のインディアンス―セネタース戦(イ11、セ19)は延長20回で記録された。

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2018年7月21日のニュース