DeNA高城、猛打賞&3打点 ノーアーチ男が「たまたま」弾

[ 2017年11月2日 05:33 ]

SMBC日本シリーズ第4戦   DeNA6―0ソフトバンク ( 2017年11月1日    横浜 )

7回無死、左越えソロを放ち祝福される高城(右)
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 6年間でわずか1本塁打。伏兵が勝負を決定づける左越えソロを放った。2―0の7回だ。DeNAの先頭・高城が代わったばかりの五十嵐の初球を捉えた。

 「初球に手を出すか、迷ってる中で振っちゃっていた。たまたまです」

 レギュラーシーズンでノーアーチだった選手が、シリーズで本塁打を放つのは球団初。8回も左前2点打をマークした。3連敗で迎えた第4戦で初マスクをかぶり、3安打3打点。過去に2度しか猛打賞を記録したことがない男が大暴れした。

 福岡市出身の24歳。小学6年生のときに、ソフトバンクJrの正捕手として「NPB12球団ジュニアトーナメント」に出場した。子供の頃から身近だった球団との大一番で、同じ九州出身の浜口の快投も引き出した。8回1死まで強力打線を無安打無得点に封じた。

 戸柱、嶺井と捕手3人制を敷くチームの中で、高城が今季先発した19試合は全て浜口とのコンビだった。「あいつ(浜口)がシーズン中、勝ってくれたから僕も試合に出られた。ここで勝たせてあげたかった」。強く腕を振るルーキー左腕はリーグ最多の9暴投を記録したが、「荒れ球」も武器。だから、ブロッキングのうまい高城が「専属捕手」に指名され、10勝のうち9勝を2人で挙げた。

 日本一を決める頂上決戦は全国のファンから注目される。「日本シリーズは福岡でも中継するので、親に見てもらえる」。横浜まで観戦に誘ったが「(親に)断られた」と笑った。第3捕手が攻守で大活躍。穏やかな表情からは信じられない大仕事を高城がやってのけた。 (君島 圭介)

 ◆高城俊人(たかじょう・しゅうと)

 ☆生まれ&サイズ 1993年(平5)5月3日、福岡県福岡市東区生まれの24歳。1メートル76、86キロ。右投げ右打ち。

 ☆球歴 八田小2年で野球を始め、多々良中央中では「粕屋フェニックス」で主将。3年時に日本代表の4番として世界大会優勝。九州国際大付では3年時に春夏連続甲子園出場を果たし、春は準V。11年ドラフト2位でDeNA入団。

 ☆恩師はダルと一緒 九州国際大付時代の監督・若生正広氏は東北時代にドジャース・ダルビッシュも指導。

 ☆甲子園で記録達成 11年センバツでは大会タイ記録の8打数連続安打を樹立するなど19打数12安打。夏は打率.261ながら、甲子園通算.591。

 ☆Jリーグ元年生まれ Jリーグが発足した93年生まれにちなんで、両親が「俊人(しゅうと)」と命名。

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