“救世主”浜ちゃんド派手1勝!ソフト手玉 8回途中ノーヒット

[ 2017年11月2日 05:30 ]

SMBC日本シリーズ第4戦   DeNA6―0ソフトバンク ( 2017年11月1日    横浜 )

3回2死三塁、今宮を空振り三振に抑え吠える浜口
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 浜ちゃん、救世主だ!DeNAの浜口遥大投手(22)がソフトバンクを相手に7回2/3を2安打無失点に抑え、シリーズ初勝利をもたらした。新人投手では球団史上初の先発。3連敗で王手をかけられた中、8回1死まで無安打投球の快投を見せた。あと5人でシリーズ史上初のノーヒットノーランの快挙は逃したが、崖っ縁のチームを救った。

 あとアウト5つだった。8回1死。浜口は代打・鶴岡に対し、チェンジアップを2球続けて空振りを奪った。簡単に追い込み、3球目もチェンジアップ。高めに浮いた。右中間への二塁打で初安打を許し、唇をかんだ。

 「(安打が)ゼロだということは分かっていた。あそこで打たれていなければ、最後まで投げ切れたかもしれない。悔しさはあった」。110球目でシリーズ史上初のノーヒットノーランを逃し、完封もできなかった。それでもチームを救ったことに変わりはない。

 3連敗という崖っ縁で託されたマウンド。球団の新人では史上初のシリーズ先発にも、臆することはない。宝刀のチェンジアップが強力打線を沈黙させる。唯一のピンチの3回2死三塁。今宮に4球続けてチェンジアップを投げ込んだ。カウント2―2と追い込み、最後はフォークで空振り三振。「(捕手の)高城さんとしっかり使っていこうと話していた」。その後もチェンジアップが140キロ台の直球を引き立てた。

 「自分が終わらせないという強い気持ちで投げた。集中が凄くできていて、一人一人の打者と勝負ができた」。ポストシーズン2連勝。初対戦のソフトバンクから白星を挙げ、レギュラーシーズンを含めてパ・リーグ相手に4戦4勝で、本拠地でも無傷の6連勝。まさに無敵の三重奏だ。

 カウントを取るものと空振りを取る2種類のチェンジアップを投げ分ける。神奈川大4年時に研究して習得したものだ。4年間の集大成として臨んだ関東地区大学選手権。ちょうど1年前の11月1日だった。DeNA入団が決まっていた浜口は横浜スタジアムで共栄大戦に臨んだが、5失点で初回わずか1死で降板。号泣して大学野球生活を終えた。「プロで汚名を晴らしたい」。1年後、同じ球場でのプロ最高峰の戦いで最高の投球を見せた。

 佐賀県出身の22歳。高校時代に自宅のテレビで見ていたのが、ソフトバンクの試合だった。「和田さんは同じ左腕なので当時から参考にしていた」。和田も4回まで無失点を続けた。「粘り負けしないように、とにかく粘っていこう」と憧れの存在に投げ勝った。

 逆襲のシリーズ初勝利。「明日も絶対に勝ちます!」。新人左腕の力強い言葉が横浜スタジアムに響いた。 (中村 文香)

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2017年11月2日のニュース