【検証 侍ジャパン】監督と投手コーチはセットで 野手出身監督ならなおさら

[ 2017年3月24日 10:00 ]

選手交代を告げベンチに戻る小久保監督(右は権藤コーチ)
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 WBCでの永遠のテーマに、投手のWBC球への対応があるが、選手各自の意識は過去と比べても高かった。千賀、武田はソフトバンクで同僚の松坂からアドバイスを聞き、特に千賀は昨年11月の強化試合であれだけ手に付かなかったボールを、完全に克服した。

 ある選手はNPBから支給されたボールだけでは足りず、球団を通じて追加購入した。1試合平均失点は、同じく準決勝で敗退した前回大会の3・86を下回る3・43。大会が進むごとに、各選手の制球は高まった。

 小久保監督が行った勝つための采配で、毎試合のように役割が変わる投手がいた。牧田は「中継ぎかなと思ったが、まさかの抑えだった」と笑う。その牧田も2次ラウンドのオランダ戦では1点リードの9回に起用されず、同点の10回からだった。一部選手は「自分がマウンドに上がるイメージが湧きにくい」との声を漏らしたが、起用法に対する不満は上がらなかった。それも、小久保監督の意図が4年間で浸透した結果であろう。前回13年大会で「事前に起用法が分からないと、調整すらできない」と不満を漏らした投手陣とは意識の面でも差があった。

 ただ、毎回のように代わる投手コーチは今後の課題だ。権藤投手コーチが就任したのは16年3月の強化試合から。チーム関係者は「監督と投手コーチはセットに考えないといけない。野手出身監督ならなおさら」と話す。五輪に向けた体制づくりへの反省材料となる。

 大会を通じて、各国の監督は「日本の投手はレベルが高い。特にスピンの利いた直球は脅威だ」と話す一方で「オーソドックスな投手が多い」とも話していた。優勝した米国のような、初対戦で打てないと思わせるような個性豊かな投手の出現が今後求められる。 (侍ジャパン取材班)

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2017年3月24日のニュース