新井 開幕不安なし!超人的40歳だ 好守もサラリ「普通でしょ」

[ 2017年3月24日 08:13 ]

オープン戦   広島0―5オリックス ( 2017年3月23日    京セラD )

<オ・広>4回二死、新井は左前打で出塁
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 広島・新井貴浩内野手(40)が攻守で存在感を発揮した。23日、オリックスとのオープン戦(京セラドーム)に今春初めて「4番・一塁」で先発出場。難しい内角球を左前へ運ぶと、守備でも不規則に跳ねたゴロを処理し、右ヒザ強打の不安を一掃した。緒方監督は、順調な昨季MVPを頼もしく見つめつつ、若手に「今年もオンブにだっこではダメ」と奮起を求めた。

 積み重ねた19年の年輪はダテじゃない。前日22日の同カードで5試合ぶりに復帰した新井が、この日も精彩を欠く若ゴイ勢を抑えて攻守で目立った。中でもキラリと光ったのは一塁守備だ。本人は「普通でしょ」と切り出したが、戦況には確実に好影響を与えた。

 0―0の6回だ。先頭・西野が放った一塁線へのゴロ。直前に跳ね方が変わったが、倒れ込みながら機敏に捕球し、ベースカバーの九里にトスして出塁を阻止した。「守備は守備で集中してやらないと。イニングの先頭だったので」。好守で右腕を勇気づけた。

 15日の楽天戦(静岡)で一塁守備に就いた際、ゴロを止めようとして右ヒザを強打。4試合を欠場し、前日22日に復帰したばかりだった。「もう問題ない。大事を取らせてもらった」。開幕の足音が近づく中、ハッスルプレーで不安を一掃するあたりが新井らしい。

 打席でも集中力を発揮した。4回1死から左前打で出塁した丸がけん制死し、2死走者なしの場面だ。左腕・松葉を軒並み打ちあぐむ中、カウント1―2からの内角低め直球を、コンパクトなスイングで左前へはじき返した。厳しいコース。自画自賛の一打だった。

 「追い込まれていたけど、難しいボールにいい反応ができたと思う。順調にきているね」

 零敗を喫し、今春オープン戦の負け越しが決まった一戦。「攻守で最もゲームに集中していた。状態は一番いいんじゃないかな」。緒方監督は40歳の奮闘を称える一方、「新井が目立つようでは寂しい。今年もおんぶにだっこでは成長しない」と話し、若手へのゲキも忘れなかった。

 「4番・指名打者」での先発出場は3試合あるが、「4番・一塁」は今春のオープン戦で初。開幕後をにらんだ起用とみるのが妥当だが、新井は至って無関心だ。

 「打順は何番でも。言われたところで出るだけだし、出たところでしっかり貢献するだけ」

 不惑を迎えても、謙虚に全力を尽くす姿勢は不変。ベテランは相変わらず頼もしい。 (江尾 卓也)

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2017年3月24日のニュース