糸井あるぞ強打の1番 金本阪神に新オプション

[ 2017年3月24日 07:53 ]

オープン戦   阪神1―5ソフトバンク ( 2017年3月23日    ヤフオクD )

<ソ・神>1回無死一塁、二盗を試みる糸井
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 あるぞ、強打の1番! 阪神の糸井嘉男外野手(35)が23日、ソフトバンクとのオープン戦(ヤフオクドーム)に移籍後初めて「1番」で出場した。初回に四球で出塁するとすかさず二盗を企図。失敗したものの「スタートを切れたのが良かった」と改めて万全の状態であることをうかがわせた。昨季は1番で打率・328と適性も十分。金本監督は「どういうのがベストなのかを試している段階」と、開幕直前まで見極める方針を示した。

 開幕オーダーに、新たなオ プションが浮上した。金本監督が試したのは『1番・糸井』から連なる打線。言わずと知れた強打の持ち主を、リードオフマンに指名した。

 「塁に出て走るということが、自分のスタイルなので(問題はない)」

 オープン戦7試合目で初の1番起用にも、試合後は頼もしい言葉を残した。それもそのはず。初回から、いきなり“らしさ”を見 せつけた。フルカウントから摂津の低め変化球を冷静に見極め四球で出塁。次打者・上本の2球目には、果敢に二盗を企図した。

 「(盗塁は失敗したが)きょうはスタートを切れたのが良かった」

 スタートが遅れたことに加え、捕手・高谷の二塁送球もストライク。自慢の快足を飛ばしても、間一髪のアウトとなった。ただ、ここでの成否は大した問題ではない。

 今春は右膝関節炎のリハビリがあったため、盗塁企図も移籍後初めてだった。盗塁に挑んだという事実こそが、迫り来る開幕へ向けて何よりも明るい材料となった。1打席目以降は中飛、遊ゴロと凡退し6回の第3打席を終えて交代。打率・250ながら「感覚は悪くない」と自己分析した。

 もちろん、適性は十分にある。昨季は1番で33試合に出場し、打率・328。19日のヤクルト戦(神宮)では豪快3ランを放っただけでなく、昨季は17本塁打、通算でも125本塁打と長打力も兼ね備えている。よーいドンでの一発も見込める男が1番に座れば、相手チームにとっては厄介この上ない存在となる。

 金本監督は打順固定を理想とする一方、柔軟な姿勢も併せ持つ。「(1番は)ありえるかもわからないし。今は、どういうのがベストなのかなというのを試している段階。まずは開幕という区切りで。シーズンに入ってくれば流動的になってくると思う」。OP戦では3番で6試合、1番で1試合。残すは、きょう24日からのオリックス3連戦(京セラドーム)のみだが、見極めを続ける方針を示した。

 片岡打撃コーチは言う。「このチームは糸井、高山、福留の3人が左の中心。そこをどう並べるかもポイント。本人とも話し合いながら、1番か3番になるのでは」。首脳陣の悩める日々は、もうしばらく続く。最後はどちらに収めるのか。背番号7の力を最大限活用できれば、自ずと開幕ダッシュは見えてくる。 (久林 幸平)

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2017年3月24日のニュース