【甲子園百景・春】西武・渡辺智男スカウト“球友”に温かい視線

[ 2017年3月24日 10:30 ]

第89回センバツ高校野球1回戦   帝京五1―9作新学院 ( 2017年3月23日    甲子園 )

伊野商時代の渡辺スカウト
Photo By スポニチ

 球児の晴れ舞台を冷静な目で見つめているのがプロ野球のスカウトたち。1回戦が終了する6日目までは全員が各方面からチェックして秋からの成長、思わぬ逸材などをメモしていく。そんな中、西武の渡辺智男スカウトも第1試合からグラウンドに目を光らせた。

 40代以上の野球ファンなら、この名前を聞けば思い出す大会があるだろう。今から32年前、1985年のセンバツで初出場の伊野商(高知)を優勝に導いたエース。準決勝では桑田、清原のKKコンビを擁するPL学園(大阪)と対戦し清原から衝撃の3三振を奪った。大本命のPLを破った勢いで決勝でも帝京(東京)を完封。この試合では2ランも放って投打のヒーローとなった。

 「今でもセンバツ前になると取材してもらったりしますよ。これも桑田と清原がいてくれたおかげ。PL戦が決勝戦と思っている人もいるからね」と話す。当時は携帯電話もネット情報もないから「それがかえって良かったね」と怖いもの知らずで立ち向かったという。

 この日第3試合に登場した帝京五の小林昭則監督は、その決勝戦で投げ合った人。これも縁。「小林も苦労してきたからね」と、かつての“球友”に温かな視線を送った。(落合紳哉特別編集委員)

続きを表示

2017年3月24日のニュース