マー君18回2/3連続無失点 開幕へ万全 シンカー操りゴロ量産

[ 2017年3月24日 05:30 ]

フィリーズ戦に先発し、5回1/3を3安打無失点と好投したヤンキース・田中(AP)
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 ヤンキース・田中将大投手(28)が22日(日本時間23日)、フィリーズとのオープン戦に先発し、5回1/3を3安打無失点の好投を見せた。今オープン戦は18回2/3を連続無失点となり、大リーグ公式サイトによると06年以降では14年のバーランダー(タイガース)の20回連続無失点に次ぐ記録という。4月2日(同3日)のレイズとの開幕戦登板を前に、残すオープン戦登板は1試合。このまま「ミスター・ゼロ」としてシーズンへ向かう可能性が出てきた。

 またゼロを並べた。田中は6回1死から初めての四球を与えたところで降板となったが、ホームを踏ませることはなかった。「内容は良くなかったけど、その中でゼロに抑えられたことは良かった」と浮つかず、さばさばと振り返るところもいつも通りだった。

 「ストライクゾーンの中で、ボールを動かしてゴロを打たせられた」

 これでオープン戦は5試合に登板し、計18回2/3を無失点。楽天時代の13年に42回連続無失点を記録したが、かつての剛速球のイメージはない。シンカー(ツーシーム)が軸球だ。WBC準決勝で米国代表の先発ロアーク、4番手ダイソンらが武器とし、侍ジャパンからゴロの山を築いたメジャー特有の速球で、田中も三振を除いた13アウト中10個を内野ゴロで積み上げた。

 シーズン通して長い回数を投げ抜くため、芯を外して打たせるシンカーを探ってきた。昨季は1試合を通じて直球(フォーシーム)を一球も投げないこともあった。シンカーは握りを変えることで、真横か、斜めに沈ませるか、自在に操ることができるまでになった。

 「自分の思うバランスで投げられたら腕は勝手に振れる。力みはない。こうやって投げるのが僕のスタイルなので」

 次回登板は28日(日本時間29日)のタイガース戦の予定で、中4日で4月2日(同3日)のレイズとの開幕戦のマウンドへ向かう。18回2/3を連続無失点は06年以降では14年バーランダーの20回に次ぐ数字。その記録を塗り替え、無失点でシーズンを迎える可能性も十分にある。ジョー・ジラルディ監督は「今日も凄かったな。先発投手でここまで結果を残すことはなかなかない」と喜ぶ。4年目の春は過去最高の仕上がりだ。

 ≪昨季シンカー最多27.4%≫米データサイト「ブルックス・ベースボール」によると、田中のシンカーの割合は昨季、全球種のうち27・4%で最も多かった。直球(フォーシーム)、カットボールと合わせて3種類の「速球系」を駆使してバットの芯を外す。同時に、シンカー並みに割合の多いスプリット(25・2%)、スライダー(24・7%)では空振りを奪うことができ、変幻自在の投球を生み出している。

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2017年3月24日のニュース