イスラエル 韓国食った 本大会初出場も実はメジャー経験者ずらり

[ 2017年3月7日 05:54 ]

WBC1次ラウンドA組   イスラエル2―1韓国 ( 2017年3月6日    韓国 )

<韓国・イスラエル>延長10回、決勝打となる内野安打を放つイスラエルのバーチャム(AP)
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 いきなり番狂わせだ。WBCは6日、韓国ソウルで1次リーグA組が行われて開幕し、本大会初出場のイスラエルが延長戦の末、2―1で韓国に競り勝った。10回2死一、三塁からスコット・バーチャム内野手(23=ロッキーズ1A)が、決勝の二塁適時内野安打を放った。メジャー経験のある選手が多く、初めての大舞台で09年準優勝の強豪国から大金星を挙げた。

 完全アウェーの客席を黙らせた。2―1の延長10回2死、右腕ザイドが昨季マリナーズで14本塁打の李大浩(イ・デホ)から空振り三振を奪い、「信じられない試合だ。興奮が収まらない」と喜びを爆発。昨季メッツでプレーしたケリーは三塁で好守を見せ、「人生で一番緊張した試合だったが、それだけの価値があった」と興奮気味にツイートした。

 1―1の延長10回2死一、三塁。9番バーチャムが元ヤクルトの林昌勇(イム・チャンヨン)から二塁内野安打。予選3試合で11打数5安打の打率・455をマークした23歳はロッキーズ1Aでメジャーを夢見る。2回に押し出し四球を選んだ8番クリーガーはインディアンス1Aの有望株。若手がラッキーボーイとなった。

 大物も力を発揮した。先発の38歳マーキーは09年にロッキーズで15勝を挙げ球宴に出場するなど、メジャー通算124勝。低めの変化球を駆使し、3回無失点の好投を見せた。途中出場で二塁打を放ったデービスは12年にメッツの4番として32本塁打を放った大砲だ。

 メンバー28人中27人がユダヤ系米国人だ。本大会初出場を決めたことで、今年1月にデービス、フルドら10選手と、巨人、レッドソックスなどでプレーしたゲーブ・キャプラー氏(現ドジャース育成部長)が、イスラエル第2の都市テルアビブを訪問。全員がイスラエルの土を踏むのは初めてだった。野球連盟を表敬訪問し、空軍基地を訪れて兵士らと交流した。

 予選ではブラジルを破り、米国で「歴史的快挙」と報道された。イスラエル野球連盟のピーター・カーツ会長は「イスラエルの野球界だけではなく、スポーツ界にとって画期的な出来事」と話した。それでも試合前からジェリー・ウェインスタイン監督は「十分な実戦と練習をしてきた」と自信を見せていた。この1勝はフロックではない。

▼イスラエル・ウェインスタイン監督 素晴らしい試合だった。両チームとも本当にいいプレーをした。マーキーとザイドは逃げずに攻めの投球をした。(次戦に向けて)結果はどうあれ、グラウンドに出て勝負することだけを考える。

 ▽イスラエルのWBC予選成績 2016年9月、米国で「予選4組」としてブラジル、英国、パキスタンとダブルエリミネート方式で対戦。イスラエル代表は1回戦・5―2英国、2回戦・1―0ブラジルと連勝。本戦出場決定戦では、再び英国を9―1で下して本大会初出場を決めた。

 ≪メジャーで活躍ユダヤ系米国人≫メジャーリーグで活躍しているユダヤ系米国人は多い。12年本塁打王で、球宴出場6度を誇るブルワーズの強打者ブラウンが筆頭格で、このほかタイガースの強打の二塁手キンズラー、ドジャースで昨季25本塁打のピダーソンら。往年の選手では、「大リーグ史上最強の左腕」とも呼ばれる元ドジャースのサンディ・コーファクス、ドジャース時代に野茂、石井とプレーした通算328本塁打のショーン・グリーンが有名。レッドソックスなどでプレーし、14年に楽天でプレーしたケビン・ユーキリスもユダヤ系米国人だ。

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