侍J小久保監督 筒香と心中「どんなことがあっても4番は不動」

[ 2017年3月7日 05:30 ]

WBC1次ラウンドB組   日本―キューバ ( 2017年3月7日    東京ドーム )

小久保監督(中央)の前で中田(左)と握手を交わす筒香
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 第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)は6日、韓国ソウルで開幕した。7日にキューバと初戦を行う侍ジャパンは6日、東京ドームで前日練習を実施。主砲として期待される筒香嘉智外野手(25=DeNA)はフリー打撃では4発の柵越えをマークし、小久保裕紀監督(45)から改めて「全試合4番」を明言された。2大会ぶりの世界一へ、「不動の4番」が日本の命運を握る。

 決戦前日の公式会見。筒香は静かに、ただはっきりとした口調で覚悟を語った。

 「良い準備ができた。チームが勝つために貢献できるよう、自分の力を出し切るだけ」

 前夜、オリックスと強化試合を行った大阪から東京ドームに移動して最終調整。筒香は黙々と1スイング、1スイングを丁寧に振り込んだ。フリー打撃では19スイングで4発。徐々に強度を上げ、15スイング目からの3連発は圧巻だった。

 実戦5試合の全てに4番で出場し、15打数3安打、打率・200。昨季本塁打と打点の2冠に輝いた主砲から一発は出なかったが、「日本のために勝つことが一番」と私利私欲は全て捨てた。ただ、日本を勝利に導こうとする心は全くブレていない。

 宮崎での強化合宿集合日だった2月22日夜、小久保監督から正式に4番起用を通達された。中田との4番争いも注目されていたが、筒香は「侍ジャパンのために頑張ろうと思った。それだけ」と気持ちを新たにした。

 この日、小久保監督は公式会見で改めて筒香の4番を明言した。「どんなことがあっても4番筒香だけは不動の4番。彼には“細工をせずにしっかり還すところは還してもらいたい”とは話はしている」。過去のWBC日本代表では06年の松中(ソフトバンク)以降、全試合で4番を務めた打者はいない。

 そんな大役を任せた。13年10月に就任した指揮官には、14年日米野球から招集し続けてきた筒香と心中する覚悟がある。そして日の丸を背負った主砲も、同じ和歌山出身の小久保監督を「本当に尊敬している」と、自らの手で胴上げすることで恩返しをするつもりだ。

 すでに日本の選手にはタブレット端末が配布され、筒香もキューバの投手のデータをチェック済み。「軟投派というか、思っていたよりは(コースに)散らすイメージ」と分析し、「見たことない投手なので打席の中で感じることが一番。(打つためには)ボールによって、コースなりに」。気張らず、自然体で臨むことを強調した。

 指揮官にとっても「自分の成長は結果でしか分からないと思うので、この大会を勝つことで示したい」と総決算となる。いざ、世界一奪還へ。小久保ジャパンの中心に筒香がいる。(柳原 直之)

 ≪筒香の日本代表入りの決意≫

 ☆12年強化試合VSキューバ 選ばれたことはうれしいが、まだ日本代表に選ばれるような選手だとは思ってない。貴重な機会を頂いたので、挑戦者のつもりで全力でぶつかりたい。

 ☆15年プレミア12 日の丸を背負ってプレーすることは、普段とは違う重さと緊張感がある。恥じないプレーでしっかりと活躍したい。やるしかない。

 ☆16年強化試合VS台湾 シーズン中とは違う緊張感があるし、凄く成長できる場所。子供たちに夢を与える意味でも、大事な場所だと思っています。

 ☆17年WBC 全国の皆さんは世界一を期待されていると思う。メンバーに入った選手、監督、コーチ、スタッフも当然、そこに向けて全力でやります。野球を全く見ない人が、興味を持つような試合にしたい。

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