巨人ドラ2重信 「2番・左翼」開幕スタメン濃厚 新人は01年阿部以来

[ 2016年3月24日 06:08 ]

黙々と走塁練習をする重信

 巨人のドラフト2位・重信が、25日のヤクルトとの開幕戦(東京ドーム)に「2番・左翼」で先発出場することが濃厚になった。東京ドームでの全体練習。打撃マシンに向かい、約30分も黙々とバント練習を行う背番号43の姿があった。

 「1軍に残れたのはうれしいですけど、これから。もっと期待に応えられる選手になりたい」

 オープン戦全19試合のうち、12試合に左翼で先発出場した。打率・184ながら、ファウルで粘ることができる打撃は魅力。何より50メートル5秒7の俊足が大きな武器となる。亀井と左翼争いをしてきたが、首脳陣には「亀井を先発で使うと代打がいなくなる」と経験豊富なベテランを勝負どころで送り出したいとの考えもある。開幕オーダーについて高橋監督は「みんなで予想してよ。まだ決めてないよ」と報道陣をかわしたが、大舞台でも物おじしない性格の22歳を抜てきする可能性は高い。

 巨人でルーキーの開幕スタメンは01年の阿部以来で、外野手に絞れば、98年の高橋監督以来18年ぶりとなる。その指揮官が「緊張したよ。良くも悪くも注目されていたからね」と18年前を回想したように、独特の雰囲気を醸し出す開幕戦。キャンプ中には主将の坂本から「開幕戦はビビるぞ」と声を掛けられた。それでも重信は「まだ緊張はないです」と冷静沈着だ。

 走る哲学者――。キャンプ中にニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」を英文で読破した。趣味は読書だが、プロ野球選手が読む本としては異色の選択。哲学者のように理路整然と頭を整理し、開幕を待つ。「とにかく出塁することが一番の仕事。塁に出ないと良さも出ない」と話す。

 ニーチェの言葉に「世界には、きみ以外には誰も歩むことのできない唯一の道がある。その道はどこに行き着くのか、と問うてはならない。ひたすら進め」という格言がある。「出たら必死にやるだけ」と意気込む重信が3月25日、プロの道を歩み始める。(神田 佑)

続きを表示

2016年3月24日のニュース