大谷 二刀流本格化 昨季までなかった登板2日前の打者出場解禁へ

[ 2016年3月20日 05:30 ]

<日・ヤ>8回無死二塁、左前打を放つ大谷

オープン戦 日本ハム8-3ヤクルト

(3月19日 札幌D)
 久しぶりの感触だった。体勢を崩されず、下半身で粘った。6―3の6回。日本ハム・大谷は杉浦が投じた真ん中低めの132キロフォークを振り抜いた。右翼線を破る二塁打。オープン戦初の長打、そして実に11打席ぶりの安打だった。

 「たまたまフォークが抜けて、(バットに)引っかかっただけ。結果的には良かった」

 2年連続で開幕投手を務める25日のロッテ戦(QVCマリン)まで1週間を切った。昨季はオープン戦最終登板後は打者出場せず、投手調整に専念して大舞台に挑んだが、二刀流4年目はさらに進化が求められている。栗山監督が「最初から決めていた」と言う、17日の登板から中1日でのスタメンDH。8回の第4打席では古野の141キロ内角直球を引きつけて左前へ運んだ。「狙い球が合っていたので良かった」という一打で、こちらもオープン戦初となるマルチ安打を記録した。

 試合前の時点で打率・133。入った打順は、これまで務めていた上位とは違い7番だった。昨年6月6日の阪神戦(甲子園)以来のことで、栗山監督は「打線的にはこれが普通なのかも。悔しがらないといけない。“結果が出ないと使わないよ”ってことだから」と話した。

 大谷は人知れず、苦しんでいた。今季からすり足に近い打ち方に変え、キャンプ中の実戦は安打が出たが、オープン戦に入った途端に結果が出なくなった。今季から「指先の感触を良くするために」とバットのグリップとグリップエンドにテーピングを行ったが、15日の中日戦(ナゴヤドーム)の打撃練習前にそれを全てはがした。なりふり構わず打席に臨んだ気持ちで結果につなげた。

 昨季まで登板前2日間と登板翌日は投手調整に専念。蓄積疲労による故障のリスクを回避するためだったが、心身の成長に従い、今季は登板2日前の打者出場が検討されている。20日のヤクルト戦(札幌ドーム)もDH出場が濃厚で、21日は投手調整に当たる予定。開幕前の“打者最終戦”へ「内容をもっと詰めていきたい」と言う。刀は2本。それが大谷だ。 (柳原 直之)

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