プロ注目の二刀流、東邦・藤嶋 史上最多5度目V導く

[ 2016年3月20日 07:30 ]

投打でプロから注目されている東邦の藤嶋

 運気は最高潮だ。4番で投手の二刀流、主将も務める藤嶋が率いる東邦は第88回選抜高校野球大会3日目の第2試合で関東第一と激突する。

 3日目の第2試合、もしくは同第3試合を引き当てるよう森田泰弘監督から厳命を受けていた主将は、見事なクジ運で絶好枠に滑り込んだ。「大仕事をやってくれましたね」とは指揮官。抽選会からの帰り道。新大阪駅で藤嶋は“ご褒美”の寿司やてっさを頬張った。

 抽選会翌日も“藤嶋祭”は続く。県岐阜商との練習試合に先発し、14奪三振で2失点完投。直球の最速は143キロを記録した。4番としても5打数4安打5打点。高校通算38号も放つ独壇場に、視察した6球団のスカウトも驚嘆。オリックス・由田慎太郎スカウトは「あれだけ振れるバッターは少ないし、投球も緩急をうまく使えている」と絶賛した。

 甲子園練習ではファーストスイングで左翼席中段へ放り込んだ。センバツ初出場初優勝を飾った1934年と同じ、白のアンダーシャツを着用して挑む今春。今大会で優勝すれば中京大中京を抜く史上最多の5度目となり、春の通算勝利数でも中京大中京と並ぶトップの55勝になる。開会式リハーサルを終えた藤嶋は言い切った。「ワクワクする。目標は全国制覇、その一つです」。球史に名を刻む戦いが始まる。 (吉仲 博幸)

 ◆藤嶋 健人(ふじしま・けんと)1998年(平10)5月8日、愛知県豊橋市出身。小2から「栄ドリームズ」で野球を始め、投手。「東三河ボーイズ」に在籍した中3時にジュニアオールジャパンの一員として米国遠征。東邦では1年春からベンチ入り。最速146キロ。50メートル走6秒7。遠投100メートル。趣味はカラオケ。好きなプロ選手は日本ハム・大谷。1メートル76、80キロ。右投げ右打ち。

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