松坂143キロ 次戦登板16日古巣西武戦が有力

[ 2016年3月10日 05:30 ]

実戦形式の投球で調整する松坂

 ソフトバンク・松坂大輔投手(35)がいよいよ1軍に昇格する。9日、今季新設されたファーム施設「ホークスベースボールパーク筑後」で実戦形式の練習に登板。打者のべ15人に対し、安打性の打球は4本に封じた。最速は143キロをマークし、得意のスライダーでバットをへし折るシーンもあった。次回登板は、早ければ16日の古巣・西武戦(西武プリンスドーム)でオープン戦初先発することが有力だ。なお、巨人とのオープン戦は、2―2で引き分けた。

 田んぼやイチゴ、トマトのビニールハウスに囲まれた福岡県筑後市の新たなファーム施設。ここで松坂がまた一つ、階段を上がった。守備、走者がいないほかは、試合と同条件での実戦形式の投球。初回の1死一、二塁を想定した場面で、猪本を外角スライダーで三ゴロに打ち取った。室内練習場に響く鈍い音。バットは折れていた。

 「スライダーは前回より、良かったと思いますね」。背番号18の指先にも手応えは伝わっていた。

 スライダーは直球とともに平成の怪物の代名詞と呼ばれた球種だ。3日の韓国・斗山戦(アイビー)では「きょうもダメでした」と不満を口にしたが、この日は右打者の外角だけでなく、内角へカウントをかせぐフロントドアも交え、中5日でほぼ修正した。「まだスライダーの球速がカーブに近い。球速が上がってくればいい」と完成形まであと一歩まできたことを感じさせた。

 直球の最速も韓国・斗山戦を2キロ上回る143キロを計測した。「いいボールは変わらずいい」とカットボール、シュートのコンビネーションはこの日も自在。さらにフォークもテストした。「投球の幅が広い。(自分では)役不足でしたね」と対戦した猪本は苦笑い。牧原も「変化球にブレーキが利いているので真っすぐにえぐられる」とお手上げの様子だった。

 視察に訪れた工藤監督は松坂の仕上がりに決断を下した。「次、投げる日はセッティングした。(1軍?)そうですね」。3日の韓国・斗山戦は2回完全。この日も仮想実戦とはいえ、3回を無失点と継続して結果を出した松坂に、いよいよ1軍マウンドを用意する。この日、先発した千賀が15日のロッテ戦(QVCマリン)に中5日で先発するため、次回登板は早ければ16日の古巣・西武戦が有力。先発で3~4イニングを投げる予定だ。

 「昔(の自分)とは違う。いろんなボールを散らしながら投げていく」。今季、実戦形式では初めて全球種を投げた松坂が、新たなスタイルを携え1軍に帰ってくる。(福浦 健太郎)

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2016年3月10日のニュース