畠山トドメ弾 中村は26イニング目初タイムリーでダメ押し

[ 2015年10月28日 05:30 ]

<ヤ・ソ>8回1死、畠山は左越えに2号ソロを放つ

日本シリーズ第3戦 ヤクルト8-4ソフトバンク

(10月27日 神宮)
 次の1点へ、集中力を持っていた。1点リードの8回、ヤクルトは先頭の山田が4打席連発はならずに空振り三振に倒れた。球場全体がため息に包まれたが、畠山の耳には入らない。カウント1―1から五十嵐のカーブを逃さず左翼席へと運んだ。

 「もう1点欲しいところで出た。いくら(絶対的守護神の)バーネットでも、きょうの風も考えると1点では苦しい。どうしても欲しい点を取れました」

 初戦に続く2号ソロ。4番の一振りに、5番の雄平が今シリーズ11打席目での初安打となる右翼線二塁打で続いた。途中出場の比屋根が二塁方向へ転がす進塁打。代打・ユウイチの四球の後、中村が右中間へ適時二塁打した。通算26イニング目で初めて出たタイムリーに、中村は「僕が打てば点が入る。自分が出塁すれば上位に回る。つなぐ意識は常に持っていた」と振り返った。

 敵地では5番以降は31打数1安打の打率・032だった打線が、本拠地でつながり、もぎとった8回の3点は明日へとつながった。ナインは「神宮では変わる」と口をそろえた。畠山は「神宮に帰ってきたら違うことは分かっていた。高校時代と違って、たとえ負けても待っているのは地獄の練習ではなく“オフ”ですから」と笑った。開き直りではない。レギュラーシーズンで今季44勝22敗1分けの本拠地に絶対的な自信があった。

 「山田以外も、みんながつないでくれた」と真中監督も選手を信じた。「2戦までは先発投手2人にやられただけ。動きも悪くないよ」と言い続けた。全選手が日本シリーズ初体験。連敗スタートでも、前日の移動日を予定通り休養日とした。コンディションを整えることに集中する。重圧につながる意識付けは不要だった。救援陣も全員で粘っている間に、打撃陣が突き放す。自分たちの戦いを取り戻した。

 畠山が「神宮で3つ取れば、(2戦目まで抑え込まれた)武田、バンデンハークにリベンジできる」と言えば、中村も「まだまだ借りがある。3連勝して博多に戻る」。大声援もある。神宮では絶対に負けられない。(倉橋 憲史)

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