金本新監督 445号の時と同じ…「ビデオ判定の逆転ホームラン」

[ 2015年10月23日 09:36 ]

ドラフト抽選時の様子を語る金本監督

プロ野球ドラフト会議

(10月22日)
 阪神の金本新監督が、いきなり会場を沸かせた。「決めたのはきょう。けっこう悩んだ。でも本塁打を打てるということだったので」。大方の予想では1位は県岐阜商・高橋だったがヤクルトが1位を公表していた明大・高山を競合覚悟で指名。真中監督との一騎打ちに臨みドラマは起きた。

 「あれだけ真横で喜ばれたらね。もう見ても仕方ないだろうと(クジを)見なかったんです。まさにビデオ判定の逆転ホームラン。(気づいたのは)連盟の方に言われて。それまでは全然、気づかなかったです」

 左手で最初に手にした封筒は手放し残る1枚を引き上げた。「サッと引いても良い事がない。だから縁起を担いだ。ワザと持ち替えた」。ところが後から引いた真中監督が先にカードを開き、雄たけびを上げてガッツポーズ。そのパフォーマンスで「外れ」と思い込み手に持った紙を開くことなく引き揚げた。

 ところが、事務局から「ただ今のクジ引きで当たりクジを引いたのは阪神球団です。確認ミスがございました」のアナウンス。大逆転劇で“恋人”の交渉権をつかんだ。その瞬間の心境を「445号の時を思い出した」と表現。自身が長嶋茂雄の444号を抜いた本塁打も、ビデオ判定だった。ただ「やっぱり自分で開いて、見て“ヨシッ”というのをやりたかったんですけど」と本音も明かし、苦笑した。

 自身と同じ右投げ左打ちの外野手。記念すべき初ドラフトで自らの「2世」とも言える将来の主軸候補の交渉権を得た。「(初ドラフトは)満点に近い」と監督初仕事を終え、満足げにうなずいた。

 ▽金本監督のビデオ判定弾 10年4月11日のヤクルト戦(甲子園)初回2死二塁で放った左翼ポール際への打球は、インプレーの判定で二塁打。しかし、ポールに当たったようにも見えたためビデオ判定が適用され、協議の結果2ランホームランに覆っている。この1本で通算445号とし、長嶋茂雄(巨)の444本を上回った。

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