賭博で揺れる巨人ドラ1桜井「小さい子供たちの見本になりたい」

[ 2015年10月23日 06:17 ]

巨人に1位指名を受け、桜吹雪でナインに祝福される立命大・桜井(中央)

プロ野球ドラフト会議

(10月22日)
 野球賭博問題で揺れる巨人からの1位指名。大学通算27勝を誇る立命大の150キロ右腕・桜井は、京都市内の屋内練習場で会見し「指名されてホッとしています。うれしかった」と笑顔を見せた。

 前日が22歳のバースデー。1日遅れのプレゼントが届いたが、一方で球界の盟主は大問題の渦中にある。「自分はドラフトのことだけを考えていました」。冷静に話した桜井は「いろいろあるけど、僕はスポーツマンシップにのっとって、野球をやっている小さい子供たちの見本になりたい」と、プロとして責任ある行動をすると誓った。

 送り出す側の思いは複雑だ。前日には、11年ドラフト1位の松本竜が野球賭博に関与していたことが発覚したばかり。立命大の後藤昇監督は「そういうことがどうして教育できていなかったのか残念です。プロスポーツなので私的なファンクラブができたり、タニマチという人たちが近づいてきたりする。付き合い方、関わり方を教えないといけない」と正直な気持ちを明かした。自身の大事な教え子がプロの世界で、巨人でどう育てられるのか。「体育会系ということで上から言われると、紹介された人に会いたくないとも言えない。その辺が怖いです」と不安を口にした。

 球団側は再発防止策を検討しており、堤辰佳GMは「そういう姿勢を説明して、“君が来ても間違いない球団なんだ”と説明したい」との意向を示した。多くの球児にとってプロ野球は、賭博などとは無縁のはずの夢の世界。桜井も、公立の北須磨に通っていた高校時代までは無名の存在だった。遅咲きの右腕は、「自分の持ち味のコントロールと球の切れをアピールしたい。1年目から活躍して、最終的には巨人の顔になれる選手に」と力強く宣言した。

続きを表示

2015年10月23日のニュース