岩隈5月無傷の4勝 防御率はリーグ2位に浮上

[ 2013年6月2日 06:00 ]

ツインズ戦の1回、キャロルの投ゴロを捕球するマリナーズ・岩隈

ア・リーグ マリナーズ3―0ツインズ

(5月31日 ミネアポリス)
 マリナーズの岩隈久志投手(32)が31日(日本時間6月1日)、ツインズ戦に先発し、7回2/3を7安打無失点で6勝目(1敗)を挙げた。持ち味の低めを丁寧に突く投球でツ軍打線を封じ、5月は無傷の4勝。防御率を2・13とし、リーグ2位に浮上した。チームは現在借金7だが、岩隈の登板日は9勝3敗。今後も自らの投球でチームに白星をもたらす。

 納得のいく投球ができたのだろう。8回2死一塁。交代を告げられた岩隈は、ベンチで次々にチームメートから声を掛けられ、満面の笑みを浮かべた。

 「自分のピッチングをして役割は果たせた。いい勝ち方ができた」

 いつも通り、低めへの意識を徹底した。象徴的だったのが下位打線から始まった3回。1死一、三塁のピンチを招いたが「打者に対して同じタイミングにならないように。ピンチになればなるほど、少し時間を空けて考えながら、慌てずに投げていこうと思っていた」。巧打者キャロルを内角低めのツーシームで遊ゴロ。続くドジャーは、3ボールから91マイル(約146キロ)93マイル(約150キロ)94マイル(約151キロ)と段階的に球速を上げ、外角低めのフォーシームで二ゴロに打ち取った。

 ツ軍戦はこれで自身3戦全勝。20回2/3を投げ自責0だ。ツ軍ロン・ガーデンハイアー監督も完全にお手上げの様子で「岩隈はフォロースルー時に右足がはね上がる。その足が近づいてくるスプリットを見極めようと、ボールに集中している打者の視界に入り、目障りになるらしい」とうなった。打者の報告によるとちょうどスプリットが落下する瞬間に、岩隈の投球後の右足が、打者の視界に入るのだという。一瞬でも足に気をとられると、ボールは消えている…というのだ。それだけ球種の判別が難しいのだろう。事実、過去3度首位打者に輝き、三振の少ない打者として知られるマウアーも、6回に低めの直球で見逃し三振に倒れて目を丸くしていた。

 これで今季6勝目。防御率はリーグ2位に浮上した。安定感はリーグ随一。まさに大黒柱といえる投球だった。

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2013年6月2日のニュース