能見、日本人では球団32年ぶり1安打完封 小林繁以来

[ 2013年6月2日 06:00 ]

<オ・神>1安打完封勝利を挙げた能見は藤井(左)と笑顔でハイタッチ

交流戦 阪神2-0オリックス

(6月1日 京セラD)
 31年ぶり快挙―。阪神の能見が圧巻の1安打完封で自身4連勝、5勝目をマークした。阪神の日本人投手の1安打完封は1982年6月25日、広島戦(甲子園)で小林繁が達成して以来。プロでのベストの投球か?と問われると、「近いものはあります」と胸を張った。

 「フライアウトも多かったし、球のキレでは勝っているかな」

 手応えがあった直球でオリックスの強力打線を押しまくり、金子との息詰まるエース対決を制した。点灯させた「H」ランプは3回先頭の後藤のみ。出した走者は1失策、1四球を合わせた3人で、5回以降はパーフェクト投球だった。奪三振は能見の9イニングとしては少ない5つ。その分、球数も121と少なくまとめた。勝利は必然だった。

 「相手が金子君だったし、そうそうチャンスはないと思っていた。藤井さんも(リードで)直球を多めに、意識付けもうまくやってくれた」。今季のこだわりとする「完投」への執念を実らせた。「チームの柱」として、5月6日の巨人戦(東京ドーム)以来、3度目の達成となった。

 「僕は初回から全力で行くスタイル。でも今年は全力で行きながら、9回まで行こうと」

 奮闘するブルペン陣を休ませられたことが何よりも嬉しい。自身の登板日は、ロッカールームで「きょうはオレたち休みやな」と声をかけられる。託される責務もまた嬉しい。過去のシーズン完投数最多が一昨年の5という左腕の目標は「2桁完投」。あと7回だ。「大量リードしている状況でも、行くと言います」。腕を振り続けたその先に、05年以来遠ざかる優勝の夢を見る。

 「データでも出ていたし、(昨季までオリックスに在籍した)山田バッテリーコーチも言っていたので」。スタメンに6人並んだ右打者への「内角球」が随所で効いた。芯でとらえられても、バックが堅守で救ってくれた。「まだまだシーズンは長い。投手がしっかり頑張れば、必ず打ってくれる」。野手陣と固く絆を結び、エースが白星を重ねる。

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2013年6月2日のニュース