「やり尽くしたと思う」父・昌雄さんら松井をねぎらう

[ 2012年12月28日 11:24 ]

松井秀喜選手の引退表明を受け、取材に応じる父昌雄さん

 引退表明した松井秀喜選手(38)の父昌雄さん(70)は28日、地元石川県能美市で、息子の20年間の名シーンを一つ一つ思い起こすように振り返った。

 「目の前のことに努力をして、悔いを語ることはなかった。いつも何事にも前向きに取り組んでいた」。誰よりも息子の野球人生を理解している昌雄さん。終始温かい表情でねぎらった。

 「けがに泣かされたことは無念と思っているだろうが、やり尽くしたと思う」と昌雄さん。それでも「たくさんのファンの方に支えられ、感謝している」と息子を代弁するようだった。

 数々の伝説を作った星稜高校時代、松井選手を支えた野球部名誉監督の山下智茂さん(67)。全5打席を敬遠され敗れた1992年夏の全国高校野球選手権大会の試合後、松井選手から「優勝旗をプレゼントできなくてすみませんでした」と声を掛けられたのが何よりの思い出だ。

 山下さんは「20年間、名門チームでよく頑張った。(今後は)世界の子どもたちに野球の面白さを伝えるとともに、プロ野球界に恩返ししてほしい」と期待した。

 2007年からグラブを作ってきたミズノの職人、岸本耕作さん(55)は「現役を続けてほしかった。寂しい」と残念そう。職人としての最高位「マイスター」の称号を持つ岸本さん。「お互いに固い信頼関係があった」という。松井選手も「エラーをするのは自分のせい」と話し、決してグラブのせいにはしなかった。「松井選手の道具に関われたことは光栄だ」

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2012年12月28日のニュース