杉内 両リーグ白星 伊良部以来2人目「最高。理想」

[ 2012年7月21日 06:00 ]

<全パ・全セ>3回2死三塁、バレンティンの三ゴロ内野安打で生還した三走・鳥谷(左)を出迎える全セ・杉内

オールスター第1戦 全セ4―1全パ

(7月20日 京セラD)
 全セの先発を務めた杉内(巨人)は開口一番、「やっぱり打たれるもんなあ。力むのかな」と苦笑いを浮かべた。初回、陽岱鋼(ヨウ・ダイカン)に先頭打者本塁打を被弾。「飛ばそうとするとバランスを崩す。難しいですね」といきなりつまずいた。しかし、その後は打者6人をピシャリ。2回1失点で、伊良部秀輝以来、史上2人目となる両リーグ白星を挙げた。

 球宴出場は6年連続7度目。だが、セ・リーグ移籍1年目の今回は特別なマウンドだった。「自分のボールを投げたいと思います。ガチンコ勝負ですね」との宣言通り、2回は中島、稲葉、井口をいずれも初球の直球で仕留めた。打者が待っている直球を投げ込み、打球を詰まらせたのは切れがある証拠。「最高でした。理想でした。無難に終わって良かった。僕が勝ち投手ですからね」と声のトーンが上がった。

 巨人の背番号18が球宴に出るのは、97年の桑田真澄以来15年ぶり。「あの時、僕は17歳だったんですよね。結構前ですね…」と感慨深げな表情を浮かべたが、通算防御率が6・30だった球宴で背番号に恥じない投球を見せることはできた。

 WBCには過去2回とも出場している。選手会が不参加の意向を表明したことに試合後は言及しなかった。救援で連覇に貢献した09年の第2回大会後に故郷の福岡県大野城市から「市民特別栄誉賞」の表彰を受けるなど、思い入れは強いが、当面はチームの優勝へ全力を注ぐ。「たくさんの方に投票してくれて選手の方にも認めてもらえて光栄。これからもそれに恥じない投球をしたい」。充実の時間を堪能し、力強く誓った。

 ≪09年以来≫杉内(巨)がソフトバンク時代の09年第2戦以来の球宴勝利。2球団で勝利は江夏(神4勝、広1勝)、伊良部(ロ1勝、神1勝)に次いで3人目。両リーグで記録したのは伊良部に次いで2人目。もっとも、この日は初回裏先頭の陽岱鋼(日)に本塁打を浴びた。球宴で初回先頭打者本塁打を打たれるも白星を手にしたのは杉内が初めて。

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2012年7月21日のニュース