中村 強気に13K、2安打完封!関東一25年ぶり春1勝

[ 2012年3月28日 06:00 ]

<関東一・別府青山>力強いピッチングを見せる関東一・中村

センバツ1回戦  関東一1-0別府青山

(3月27日 甲子園)
 真っ向勝負とはこのことだ。どこまでも強気な思考が投球スタイルに反映される。2年生右腕・中村が2安打完封で、関東一を四半世紀、25年ぶりのセンバツ勝利に導いた。

 「(三振は)意識して狙った。制球ミスさえしなければ打たれないと思った。完全試合を目指していたが、(6回に初安打を許し)完封狙いに切り替えた」

 2回から4回にかけては5連続で空振り三振を奪うなど、4回までで8奪三振。5回まで一人の走者も許さない。大会史上3人目の完全試合の夢は6回に破れたが、8回先頭の上原の右翼線二塁打を許すとゲームセットまでは26球連続でストレート勝負を挑むなど全118球中、直球は実に102球。13三振のうち直球で12奪った。1メートル81の長身に加え、巨人・杉内をイメージしたというゆったりとしたフォームから繰り出す球は出どころが見えにくい。最速139キロながら球速以上の威力があり、別府青山打線のタイミングを外した。無四球と制球力も光り、ユニホームのほつれを自ら縫うという右腕は「針の穴を通すのは簡単にできますよ」と笑わせた。冬場に走り込みや筋力トレーニングで下半身強化に努め、体重は4キロ増で75キロとなった。

 25年前の87年春は平子―三輪(現楽天バッテリーコーチ)のバッテリーを中心に準優勝。次戦の智弁学園戦(奈良)に向けて、中村は「1安打完封したい」と言い切った。

 ▼関東一・秋山(3回1死二、三塁から決勝の右犠飛)1打席目(四球)で直球とシュートしか来なかったので、直球を狙っていた。

 ▼関東一の前回センバツ勝利 87年は明徳義塾、市岡、八戸工大一、池田を破り決勝に進出も、PL学園に1―7で敗れ準優勝。同年9月には人気アイドルグループのおニャン子クラブが解散。プロ野球の巨人・江川卓が現役を引退した。

 ≪1回戦16試合で6試合の完封試合≫この日の第1試合で関東一(東京)の中村が別府青山(大分)相手に2安打完封勝利をマーク。1回戦16試合で6試合の完封試合は、04年の第76回大会(8試合)以来8年ぶり。

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2012年3月28日のニュース